デーテーペーな1日

1997.11.16~30

日記関係の発言はこちらで。
11月16日(Sun)
 部屋の中に8才のガキばかり十数人もウロウロしてると騒がしい限りです。ケーキ喰ったりジュース飲むだけでは済まなくて、なにやら子供部屋のシャッター閉め切ってのお楽しみ会は「こわいお話し」だとか。この際だから、うるさいガキを思いっきり恐がらせてオシッコちびらせちゃいますか。ぴぴぴぴぴ。
 真っ暗にした部屋でローソクの明かりだけでする怪談話しってのは、昼間でもけっこう受けます。あまり脅かして夜中にオネショでもされては困るのでほどほどにしておきますが、香子さんの日記に出てきた夜歩く日本人形のお話しを、理科室にある人体模型に置き換えてお話しなど・・・麻美の教室の隣がちょうどその理科室で、廊下からいつもその人体模型がこちらを睨んでたりします。
 がはははh、いちばん恐がってたのは麻美かも。正美の方は恐い話しが大好きという性格は・・・やっぱりな、と思われます。
 そういえば、女の子ばかりの中にひとり男の子がいます。なんでも麻美のクラスの男の子で、呼ばれてもいないのに話しを聞きつけてお誕生日のプレゼントをもって来たようです。ずいぶん気を使う男の子で、プレゼントだけ渡して玄関先で帰ろうとするので、まぁいっしょに遊んでいけばと、父親が声をかけてそのまま2階へ。女の子ばかりの中に男がひとりなんですが、まだそんなことを意識する年代ではないんでしょう。女の子達に囲まれて平気で遊んでます。
 最初のうち麻美は迷惑そうだったんですが、その子がもってきたプレゼントと云うのが、ピカチューのプリントされたお財布で、これがひどく気に入ったようで「かわい〜ぃ」を連発しながら、それ以後はやたらニコニコしてその子にべったり。う〜ん、それにしても随分と「モノ」に弱いタイプのようです。あまりに正直な反応にいささかゲンナリしているのは、まぁ・・・男としての憤りというヤツかも。

 明日は「雨のち晴れ」と天気予報で告げられて・・・どうやらディズニーランド行きは決行の模様です。これで予定日記も確定でしょうか。明日の日記は読む必要ないのかも。


11月17日(Mon)
 がつ栗なのは子供たちのようでした。
 朝方の雨模様は夕方まで降り続くとか聞かされてがぜん萎えた父親は、本日のお出かけは中止するぞと宣言してそのまま二度寝。まだ6時だぞ・・・勘弁して。

 とはいえ、昨夜はえらく早めに寝たもので9時過ぎには目が覚めてしまいました。正美の姿が見当たらないのでどうしたの?と麻美に訊いてみると、なにやらひとりで3階にいるらしい。そうか・・・せっかくディズニーランドに出かける気になっていたのにあえなく中止で、すっかりすねてしまったようです。う〜ん、大人の都合で出かけられなくなったりするとせっかくの子供の期待を裏切るから、お出かけの予定などはうっかり告げない方がいいのかも。ま、土砂降りでもなんでも出かければ良かったんでしょうが、ココロの貧しい大人は雨に降られてとぼとぼ歩く姿を想像してついつい萎えてしまいがちです。
 10時過ぎになっても、「これから出かけたらお昼過ぎには着くからディズニーランド行こうって、麻美ちゃんお父さんに言ってきて。」なんて3階で話してます。がはははh、自分では面と向かって言えないものだから、麻美に言わせようとするのは正美の常套手段ですなぁ。つくづく姑息なヤツ。

 しょうがない、どこかに出かけるか。
 ウィークデーという事で、いくらなんでも満員という事は無いだろうと出かけたのは・・・えぇ、何事にもブームに乗り遅れる我が家らしく、今頃「もののけ姫」です。
 で、まだロングラン上映中だという立川の映画館へ。
 きゃー。1時5分からの上映は立ち見だとか。階段には開場待ちの人間がアホほど並んでます。とほほ。お外でも萎え萎え。
 結局2時間ほど時間潰しでデパートまわりなどして次回の上映時間の1時間ほど前に並んで待ってると、今度はガラガラ・・・う〜ん、田舎者の行動パターンは訳ワカランです。

 3行日記で適当に感想書くにはいささか重すぎるテーマでした。それぞれの登場人物にそれぞれの思い入れがあって、一筋縄で善だ悪だと決めつけるのは確かに困難なようです。ひとりっきりで孤独に戦いをいどむ「もののけ姫」に年甲斐もなくジンときたりして・・・
 病み上がりの「あしたか」に口移しで食べさせたモノがケモノの肉であったことに、「生命」を喰らうことでしか生きられない「生命」の存在に思い当たったりするのは、例によって僕自身のトラウマの一種なのかも。


11月18日(Tue)
 午前中はPTAのお知らせなどをだらだらと手直しして・・・面倒クセーので適当にでっち上げてそのままプリントアウト。早く配布しないとなにかとうるさいお母さんがいるので、出来上がった学級通信をもってそうそうに学校まで。ちょうど昼食の準備中でしたが、相変わらず2年3組のクラスは特別に騒がしいようです。こんなガキと毎日付き合う学校の先生って、本当に大変なんでしょうね。だから女子中学生と猥褻な行為に及ぶ先生なんてのが後を絶たないのかも。きゃー。<青少年条令テロル。

 何となく天気もどんよりで、うそ寒い一日という事は・・・えぇ、何時ものようにまるで仕事する気が起きません。
 そんな訳で、本日は久しぶりにハヤシライスなどを父親が作るかと、夕方からタマネギなどをスライスしてたっぷりのバターでがしがしと炒めておりました。やっぱりタマネギは十分に炒めるのが旨さを引き出すコツでしょう、ズバリ。
 ベランダに置いたプランターにいまだ植わったままのバジリコの葉を2・3枚ちぎっては鍋の中に。うん、やっぱりナマのバジリコは香りがぜんぜん違いますねぇ。赤ワインやらコンソメスープも加えますが、長く煮込むのが面倒くさいので市販のハッシュドビーフのルーも半分ほど溶いて入れておきますと、とろみも適度についてなにかと便利かも。ま、お手軽が何事も我が家の基本ですから。味は二の次。<だったらノーガキ垂れるなよな。

 少し酸味がきついようなので、冷蔵庫にちょうど入っていた「飲むプルーンヨーグルト」などをドバドバと入れると・・・ひぇー、何だか妙に甘ったるい味に。塩とコショウを追加して、ウスターソースももう一度。う〜ん、どんどん複雑怪奇な味に。どうやら味付けのドツボにハマってしまった模様です。これ以上あれこれ手を加えると収拾がつかなくなる可能性が高いので適当な処で諦めました。
 知らん顔して食卓に並べると・・・子供たちはおいしいおいしいって食べてます。がはははh、所詮は味覚音痴な家族なんで、あれこれ味付けに悩むだけ無駄でしたなぁ、ズバリ。 

 我が家に押し掛けてハヤシライス食べようなんて不遜な事を考えても無駄です。そんな事もあろうかと、家族四人分しか作っておりませんので鍋は最早空っぽです。がはははh、おあいにく様。


11月19日(Wed)
 夜中にナリマツくんから大変ですねぇと同情メール戴くような生活だけは、何とかした方がよろしいのかも。
 う〜ん、まったくもって不徳の致すところです。時間の限られた仕事ばかりで、早めに終わらせておけばよいモノを、昼間はダラダラとしてまるで仕事もせず、夜は夜でのんびりと風呂に入ったり、テレビの頭悪そうなサッカー選手のコメントをぼんやり眺めていたりで、いっこうに仕事をする気配がありませんでした。まったくなぁ・・・そんな日に限って、夜中に日記巡りしながら仕事でもやろうかと、そんな馬鹿げたことを考えた処ですんなり仕事に集中できるはずもありません。
 肝心の仕事は結局明け方近くまでかかってしまって、寝たのは廃人タイムでした。あ、僕のなかでは午前4時以降を丑三つ時ならぬ「廃人タイム」として、それ以前に眠れば未だ人としての生活に辛うじて踏みとどまっているモノと考えています。それ以降に眠るような人は・・・いわゆる「もののけ」の類かも。
 睡眠時間が少ないと、脳の神経細胞が日に日に破壊されてシナプスの連鎖が断ち切られるそうです。どうもそのあたりの自覚症状も最近は出てきたような気がしますが、ただのボケ症状なのかも知れません。その上、脳の神経細胞は一度壊れると二度と再生しないそうですから、すでに手遅れかも。う〜ん、該当者の皆さんは少し自戒されたほうがよろしいかも。僕はボケ老人希望ですから、このままで良いんでしょう。 

 いくら睡眠不足といっても、一度起きてしまえばなんとかなるモノです。まさに長年の不規則な生活の賜物でしょう。<そんな事を自慢してどうする!


11月20日(Thu)
 いろいろと愚かしい事情から仕事が遅くなったりして、ようやく仕上ったのが夜中だったりすると、そのまま深夜にMOディスクを届けたりすることがよくあります。一度寝てしまうと、朝一番に納品なんてそんな面倒くさいことはウンザリだし、朝の渋滞に巻込まれることもないのでずっとそんな習慣のままです。
 で、夜中の3時とか4時に車を走らせてるといろいろとおかしな人に出会ったりします。
 酔っぱらいが道路の真ん中に仁王立ちで、片っ端から通る車を止めてはなにやら意味不明な雄叫びあげている現場というのはよく遭遇するので、そんな人達にはなんの不思議もありませんが、やっぱり夜中の4時すぎに犬の散歩させてるオバサンにはギョッとします。車のヘッドライトの前にいきなり黒いシルエットが飛込んできたかと思うと、白いマスクをした女性が犬を連れてぼんやり立ってたりすると例の「くちさけ女」かと、小心者は心底ドキドキします。
 後は、上半身裸で横田基地のフェンスの前に立って滑走路じっと眺めてるオジサンとか・・・夜中の4時に。<これもなんとなく恐いですよ〜。

 昨夜もそんな調子で何時ものように夜中に納品した帰り、真っ暗な交差点で信号待ちしてる車のガラスをコツコツと叩かれたりして、思わず「ひゃぁ〜」と飛上がったのですが、なんのことはない・・・夜遊びの過ぎた女子高生がお家まで車で送って欲しいとヒッチハイクしてるんだとか。
 う〜ん、「白いカペラクーペの強姦魔・大久保清」の教訓などは最近の女子高生にはなんの意味もないんでしょうなぁ。そんな事を考える方がオヤヂくさいだけ?
 ちょうど帰り道なのでイイよと言うと、なんの躊躇もなく助手席に座ってます。ま、こんな事は日常茶飯と言わんばかり。彼女たちの年頃の己の行動を思い返せば、なにやら説教垂れるほどご立派な生活を送っていなかったような気もするので、ここは大人しくお家の近くまでお送りしておきました。車の中での会話も今時の女子高生そのものと言うか、なにやらとりとめのない脳天気なお話しばかり。
 あんな風で彼女のこれからの人生は大丈夫なんでしょうかねぇ? ま、僕が心配する問題でもありませんが。

 そんな女子高生を車から降ろしてからも、やっぱり腑に落ちないんですが・・・まぁ、素直なのかスレてるのかよく判りませんが、あたま悪そうな事だけはよく判りました。なんでも都立高校だとか・・・わが家の娘達も都立高校だけは避けた方が良さそうです。


11月21日(Fri)
 実はわが家の奥さん、この間の小雨の降る日に傘をさしたまま自転車に乗っていて、向うからやってきたトラックよけようとしたはずみにふらついてコンクリートの塀にぶつかったんだとか。転びはしなかったようなんですが、そのはずみで腕時計のガラスに傷を付けてしまったんだそうです。もともとフラフラしながら走っているので、後ろから見ていると危なっかしい限りなんでトラックに引かれなかっただけよかったのかもしれませんが・・・なんとなくイヤな予感が。
 そう、11月24日は奥さんのお誕生日なんですわ。グッチの新しいタイプのなんちゃらとか云うおかしなデザインの腕時計、しかも型番まで指定した上で目の前にチラシ突きつけてこれが欲しいとか・・・う〜ん、子供達と手法が同じです。親子だからそんな処までもかぶってるのかも。
 しかしなぁ、ただの腕時計がそんな値段だとは・・・どうせ中味はカシオじゃないの? ヘタすればカンボジア製だったりするかも。中味のクォーツ部分は安い海外製品を調達して、表面の意匠とブランド名を刻印するだけ。しかも工場は人件費の安いパプアニューギニアあたりに作って、それで原価の数十倍とか数百倍の値段をつけて、世の中のブランド志向のバカなオバサン達に売りつけるんだろうなぁ。それも迂闊な日本人ばかり狙い打ちだったりするのかも。
 女子高生の援助交際だと言うなら、プレゼントの後で「えち」するという楽しみもあるんだろうけど、うちの奥さんなら別にプレゼントしなくてもタダで「えち」ぐらいさせてもらえるからなぁ・・・なんなら今夜にでもさっそく。きゃー。
 時間を知るための道具なら懐中時計でもミッキーちゃんの目玉がカチカチ動くディズニーウォッチでもなんでも良さそうな気がするんですが、そんな意見は多分却下なんでしょう。

 ブランドものにしては非常にリーズナブルなお値段だそうですが、何れにしてもそんなちゃらちゃらとした時計を付けてスーパーダイエーで1袋100円のピーマンを買いあさる姿と言うのは、果して如何なものかと。ま、ベンツに乗って銭湯がよいなんてのと同じで、リッチなんだかビンボーくさいんだかさっぱり判りません。


11月22日(Sat)
 う〜ん、久しぶりにシステムの再インストールが必要なんでしょうか・・・原因がMACなのかネスケの側に問題があるのかがいまひとつハッキリしませんが、とにかく絶不調。オチまくりのフリーズしまくりで、1日に何回再起動していることやら。
 しかしなぁ、かわちゅわんや竹井さんじゃないんだから「趣味」でシステムの再インストールする程僕は酔狂な人間じゃないので、それもウンザリ。なんとかしてよコロンちゃん。←まねし。夜遊びばっかりやってないで勉強もしっかりね。

 ここでMAC OS8をインストールなどした日にはエライ目に合うだろう事は、長年の経験から火を見るよりもあきらかでしょう。仕事がたて込んでるときにMACが立上がらなくなったりすると、一気に萎え萎え度200%だからなぁ・・・
 ま、不調といってもネスケがらみの問題のようなので、仕事中はネスケを動かさなければなにも問題ないんですが、やっぱりお仕事中にもたまには息抜きで日記猿人の新作TOP200なども眺めてみたいじゃありませんか。実際には日記巡りの間にお仕事してるんじゃ?と云うありがちな突っ込みはこの際無視するにしても、illustrator立上がってなくてもユードラとネスケはいつでも立上がってたりするのは・・・えぇ、間違いのないところです。がはははh、やっぱりな。

 ソフトウェアの不調からOSの不具合にいろいろと首をひねっている裡に、いきなりハードディスクがクラッシュして全てのデーターがパー・・・ぎゃー。<なんてのが多分今後の展開のような気がしてきました。早急にデータのバックアップだけはとった方が良さそうです。後はやっぱりシステムのインストールなのかなぁ・・・面倒くさいけどやっぱりやった方が良いのかもしれません。<と言いつつ痛い目に遭ったことは数知れず。

 ここの処、子供達が学校が休みだと昼食は必ずマクドナルドってのもいい加減飽き飽きしてます。本日もそうだったんですが、ひょっとすると明日もそうなんでしょうか? たまにはケンタッキーでも。<何れにしても大した違いが無いような気も・・・


11月23日(Sun)
 本日は不明日記でも書こうかと思っていたのですが、思わぬ展開から私信日記に変更です。事情のわからない方、オフミ嫌いの方、かんの鋭い奥さん持った恐妻家の方、すまんス。あまり読んでもしょうがない日記です。<何時もそうか。

 思わぬマックの不調から派生したゴタゴタと何時ものさぼり癖から、とっくに終っている筈のお仕事が全然出来ていない模様です。あぁあああああ、このまま出かけると明日以降の予定にも思わぬ支障がでるような気が。えぇ、世の中は3連休だとかほざいてますが、零細内職フリーランスの身にはカレンダー通りのお休みには大した意味はありません。かえって、休みの間に仕上げておいてね(はぁと)、なんて事になりがちです。
 そんな訳で、オフミ好きのテロリンオヤヂがどうした加減か、ここにきてオフミ2連続ドタキャンとなってしまいました。山本Kさん、本当に申し訳ありません。「あたふたCD完成ライブ」に合わせての疾風怒涛の44時間傷心帰国オフミ(きゃー。シャレにならないって!)、是非とも参加したかったのですが、またもやお会いすることが出来なくなってしまいました。これに懲りずに、また次の機会にでもお誘い頂ければ、今度は必ずお伺させていただきます。しかしなぁ・・・本当は会いたくないのかもしれません。きゃー。<この時期のテロルは止めなさいって!

 仕事の能率は去年と比べて絶対落ちてますよねぇ・・・仕事自体に飽きてると云うこともあるんでしょうが、お仕事に集中できないのはやっぱりインターネットのせいかも。昔はお仕事に関しては、「早い」「安い」「それなり」だったんですが、最近は「安い」だけしかセールスポイントがないというのも情けない限りです。とほほ。


11月24日(Mon)
 衆人環視の記者会見の場で、いい年したオヤヂがワーワー泣いてお詫びするってのは・・・ご本人のカタルシスにはなるんでしょうが、見ている社員はウンザリするだけだと思うんですが、あんな風でも意外と日本人の琴線に触れる部分があったりするのかも知れません。
 悪いのは自分達含めた上層部と、なんの言訳にもならない浪花節的人生観を語られても、いざ具体的になにを成すのかと云う部分の欠落したままの記者会見に、こんなシーンは今までもあらゆる場面で何度も繰返し見てきたような気がして、あぁ所詮はこの程度なのかと、ひたすら脱力しています。4大証券の一角などと言われても、根底に流れているモノの安っぽい手触りがこうした場合にあらわになるのは本当に見飽きた光景です。
 社員のコメントにも、まさかうちの会社がといった驚きが正直に現れているところにも今回の山一証券の廃業の衝撃の大きさが見えているようですが、絶頂期から半分以下になった株式市場の、その消えた株価はいずれ日本人自身が精算する必要があるのだということに、他ならぬ株式のプロの方達は気付いてはいなかったのでしょうか? 「飛ばし」などという手段は、要するに怪しげなネズミ講と同様の、結末があらかじめ見えているインチキそのもので、いずれ株価が上向けば全てがうまく収るなんて・・・どう考えても脳天気なたわごとにしか見えません。無限に子ネズミが増えることで約束された利益というヤツでしょう。
 公的資金導入によって顧客の資産を守るなどと大見得きってる日本国ですが、果してそんな口約束がいつまで続くことやら。結末の見えないままにつぎつぎと続く金融機関の倒産に、無尽蔵に資金の導入などが不可能な事は自明の筈です。それとも、国家的な規模でのネズミ講の破錠が、現在の危機的状況なのかも知れません。
 永遠に右肩あがりの経済成長が続くのだという神話が、ただの幻影にしか過ぎなくなった以上、過去を清算するためにはまだまだ僕たちが払うべき負債は残っているような気がします。

 未だにバブルの時代の夢に酔っているような経営陣の対応が全ての原因なんでしょう。底の抜けたドロ船にいつまでもしがみつこうとするよりも、もう一度しっかりとした船を造ることから始めるべきなのですが、はたして僕たちにその覚悟があるのやら・・・


11月25日(Tue)
 週末からの3連休も、なんだかよく判らないままに過ぎてしまったようです。
 休みだったのかお仕事だったのか本人にもイマイチ実感がないのは、なんともいい加減な日常ですが、つまりは普段と大して変わりがなかったようです。毎日がお休みだとも毎日がお仕事だったとも言えるのが、つまりは我家の日常なのかも知れません。
 そうそう、昨日はいい歳したオヤヂの泣顔があまりにみっともなくて、何時もの「うだうだイチャモン時事ネタ日記」を書いたせいで肝心の日常記録が全然書けませんでした。こんな処でぶつくさ文句をつけたところで何一つ変るわけでもないのは充分承知なのですが、あまりにみっともないオヤヂの有様にはどうにも我慢がならないようです。まぁ、新聞の投書欄にせっせと投稿するとか、テレビ局にしつこくクレームの電話をかけるイチャモンオヤヂに較べれば自分のHomePageでぼやいてる分にはそれほどはた迷惑な事もないだろうと、そんな程度のいい加減な「ぼやき日記」ですから、是非とも大目に見ていただきたいものです。

 萎え萎え日記はデーテーペーの方にも波及しているようです。う〜ん、日記界は仕方がないにしても、日常でももう少し面白い事件でも起きないとこっちの日記も完全にネタ切れ。PTAもすっかり撤収モードのようで、今後の展開も期待出来そうもありませんなぁ。やっぱり不明日記で逃げるしかないのかも。


11月26日(Wed)
 そんな訳で(どんな訳?)強風の中、奥さんを車でお迎えに・・・あぁ、僕と奥さんとの思考の波長はでんでん同調していない模様です。お互いにお互いの勝手な思いこみから、ざっと見渡して居ないとなるとさっさと一人で帰路に向う奥さんと、少し遅れて待ち合せ場所に着いたものの、いつまでもうすらぼんやりと待ちぼうけているだけの旦那という構図では、永遠に待ち合せる事などは不可能なようです。う〜ん、こんな事が昔からちょくちょくあったような気も。
 なにやらこれからの二人の人生模様を暗示するような本日の待ちあわせですなぁ。

 なんとなく不機嫌なまま、午後からは真面目にお仕事でもするかと珈琲すすりながらチョコッと日記巡りなどしていると、PTA役員の奥さんから電話が。あぁ、イヤな予感。
 ・・・なにやらドッチボール大会のお知らせを急遽つくらなければいけないハメになったようです。う〜ん、よりによって今日・明日は何時もの「萎え萎えお仕事モード」なんで、今からがっくり来てるのに、その上ドッチボール大会のお知らせですか・・・そっちの方には僕はタッチしなくて良いって事だったはずなんですが、やっぱりねぇ。
 FONT SIZE変えるのも面倒くさいんでこのままにしておきますが、さらに「萎え萎え萎え」<やっぱりFONT SIZE=7にするべきだったかも。

 やはり全編「人情裏日記」でしたが、本日は山本周五郎タッチでお送りしました。がはははh、藤沢周平もいい感じかも。
 PTAのお知らせは思っていたほど大変な代物ではなかったようです。適当にでっち上げてプリントアウトしておけばなんとかなりそうです。しかしPTAの奥さんには「もう、大変でしたぁ」と、目一杯恩着せがましく言っておくことにします。この代償は身体で是非。きゃー。


11月27日(Thu)
 ある特定のジャンルに偏るのですが、戦後派の作家や評論家が死んだりすると日記のネタになるのはどうやら最近恒例のようです。

 文芸評論家・奥野健男。享年71才・・・死亡記事の扱いをみても文壇での位置はそれなりにあったのでしょうが、新聞での文芸時評以外になにか新しいものは書いていたんでしょうか? それよりも最近の人達には「奥野健男」といっても、やっぱり「誰?」というのが正直な感想なのかも知れません。まぁ、僕の場合はある時期、彼の語る作家論をほとんど丸写しで得意げに話していた事がありました。センチメンタルな彼の文章が僕にはとても心地よかったようです。
 71才と言えば、生きていれば僕の父と同世代の筈で、意外と若かった事を改めて認識しました。彼が愛してやまなかった無頼派の作家達とは親子ほど年が離れていたようで、個人的な親交が一切無かったからこそ、ああした全面肯定に満ちた坂口安吾論や太宰治論が書けたのかもしれません。
 評論家などといった種類の人物は、本筋での己の才能に見切をつけた人間がいつまでも未練がましく周辺で騒いでいるだけという認識を改めさせたのが奥野健男でした。彼が良いという作家を手当たり次第読んでいた時期もありました。
 ブンガク自体が衰退の一途をたどっている近ごろでは、文芸評論家などという職業自体が時代遅れな存在のようで、まぁそんなちょっと気恥ずかしい肩書を堂々と名乗ることのできた最後の人物だったような気がします。
 晩年はほとんど目立たない気がするのは、彼が本当の意味でのオマージュをこめて語るべき作家が三島由紀夫以後には現れなかったからのようです。語るべき作家が存在しなければ、文芸評論などは所詮は要約紹介にしか過ぎないと言うのは・・・やはり、奥野健男にはあまりにも失礼な物言いかも知れません。

 彼の略歴みてみると東京工業大学出身ということで、理系の人だったんですね。いわゆる文壇というものから少し外れたところにいたような気がしたのはそのあたりに原因があるのかもしれません。


11月28日(Fri)
 子育て真っ最中の方の日記を読んで、ふと昔のことを思い出したりする事があります。

 子供の夜泣きというのは、経験した人間にしか判らないと思いますが、あれは結構切ないものです。
 なぜ泣くのかがさっぱり理解できなくて、オシメを替えミルクを飲ませてみても一向に泣き止まなかったりすると、新米の親には最早それ以上の原因が思い浮ばなくて、立ったり座ったり部屋の中をおろおろ歩いたりで、結局は明け方近くまで子供を抱いた姿勢のままうつらうつらする事しかできなくて・・・そんな生活が連日ともなると、親の方は睡眠不足のせいで一層イライラして子供の泣声がひたすら疎ましかったりするものです。
 まぁ親の勝手な思いこみでそろそろ寝て欲しいとか、たまには朝までぐっすり寝てみたいなどと考えたところで、赤ん坊にそんなものは通じるはずもありません。抱いていると大人しく寝てくれるのに布団に降ろすと途端にむずがりだしたりすると、もはや万策尽きたような気になるものです。
 うちの子供達も数カ月間は夜泣きが酷くて、それも二人してですからかなりまいったような記憶があります。ベットを別の部屋に分けて二人でそれぞれに添寝させていたと思うのですが、一人が泣出すともう一人もつられて夜泣きが始ったりして、結局は親子四人で明け方までボンヤリしていたようです。じゃそれがいつ頃終ったのかと考えるとそのあたりの記憶がぜんぜん無かったりします。
 時期が来れば子供の夜泣きなんてものは自然に納るんだというのは子育ての終った人間の無責任な言いぐさで、当事者にはそうすんなりとは信じられないかもしれませんが、まぁ誰にきいてもそんな返事が返ってくるだけだと思います。まず、のんびりやるのが一番でしょう。イライラするのはいたって逆効果で、夜中に子供抱いて散歩なんかすると案外落着いたりするものです。

 小学校に入学したりすると一気に手がかからなくなって、かえって拍子抜けするようなこともあります。子供が大きくなると言うのは親にとっては本当は不本意なのかも知れません。
 たまには小さい頃のように抱上げてみたいと思いながらつい躊躇したりするのは、なんとなく寂しいものです。


11月29日(Sat)
 あいにくの雨ですが、今日は我家の奥さんは何人かのお友達と近所のビンボーくさいフラ飯屋さんでビンボーくさいディナーコースだそうです。食事の後はカラオケになだれ込む可能性120%でしょうなぁ・・・
 そうしょっちゅう出歩く方ではありませんし僕と同じでアルコールのぜんぜん飲めないひとなんですが、出かけるととことん遅くなるタイプなんですわ、うちの奥さん。酒も飲まずによく深夜までつき合えるものです。がはははh、僕もおなじです。
 夕方6時からの待ちあわせなので「何か夕食作っておこうか?」と言う奥さんに、「ボンカレーでも食べるから何もしなくてイイよ」なんてうっかり答えたら・・・きゃー、ホントにご飯と味噌汁しか用意してありません。とほほ。
 こんな時に奥さんにいい顔しようとするのは、ひとえに普段の己の行いが後ろめたいからです。えぇ、文句の言えるような筋合じゃありませんです。ご飯と味噌汁があるだけでも幸せ(はぁと)です。でも、ラブラブじゃね〜よなぁ。
 近所なので奥さんが車でお出かけなのも誤算のひとつで、ファミレスに行こうにもこんなド田舎暮では車なしではまったく身動きが取れません。雨でも降ってなければ自転車でファミレスというビンボーくさい選択もあったんですが・・・しかたがない、ボンカレーの袋を「あちちちち」なんて間抜けな声出しながら破いてご飯の上に。相変らずレトルトのカレーって具が少なくて今一つ物足りない気がするんですが、お替りするのも間抜けだよなぁ。ご飯に生たまごかけて食べるか?醤油たらして味の素パラパラ・・・あぁあああああ、実に哀愁漂う親子3人の夕食風景ですなぁ。まるで小津安次郎の映画のワンシーンを思わせます。とすると、僕は笠知衆かい。
 また白木くんあたりに大うけかも。とほほ。

 12月はやたらとお出かけの予定があるので、こんな時にでも点数稼いで置かないと。がはははh、あくまでも姑息な魂胆だけで生きてますから。
 あ、この日記読んでる方で我家を訪問するような事があっても、奥さんにはくれぐれも日記ネタは振らないように。奥さんテロルは一切ナイショです。


11月30日(Sun)
空地のある風景

 朝夕の行き帰りに何時も通っている筈なのに、その空地の存在に気付いたのはつい最近のことだった。

 通りの両側を埋めた建売住宅の家並が突然途切れ、立枯れたセイタカアワダチ草が一面に覆っている100坪あまりのその土地は、住宅街の一画に突如現れた異空間のようにあたりの風景とは完全に途絶していた。
 以前ここにはなにか建っていたのか、それとも最初から空地のまま放置されたいたものか・・・まるで記憶のないままに、私はその場所になぜかひどく魅せられていた。
 駅からの帰り道、バス停をひとつ手前で降りてその前をわざわざ通るのが最近の習慣になっていた。ただし、未だに私はその空地の中に一度として足を踏み入れたことはなかった。何故その場所に惹きつけられるのか・・・私自身に説明がつかないまま今夜もその空地の前に私は立っていた。

 フェンスのないその空地は通りに面した一画以外、全て同じような建売住宅が軒を連ねているのだが、何故かそこに向い合う窓がひとつもなかった。窓のない壁は巨大な墓石に似て、その空地を太古の墓所のように見せていた。都会のアスファルトとは違う土の匂いと一緒になにやら金気くさい空気が濃厚に匂った。枯れた雑草をかきわけて私はその空地の中央に立つ。

 全裸の女の死体があった。

 あたかもベルメールの壊れた人形のように胴体の部分で切断されねじくれた姿勢のまま雑草の上に横たわっていた。ぽっかりと開いた切断面はまるで巨大なジョイントのように空白のままだった。耳まで切り裂かれた口はやはり人形のそれのようで、いっそうその死体を作り物めいたモノに見せていた。

 ソウカ ワタシ ハ オマエ トノ サイカイ ヲ マッテイタノカ・・・

 建売住宅の並ぶ通りに立った私はもう一度空地の奥を振返る。もうずっと何日も前からこの空地にかよい続けていることをようやく私は思いだした。

 都心であればあるほど、不自然な空地が目に付くような気がします。その場所のウソ寒い雰囲気に、何かしら妄想の産物が転がっているような気がする事がしばしばですが、未だにそれを確かめに入ったことはありません。


Go Back My HomePageMail To Yaku