歳時記(diary):一月の項

一日

今年もよろしくお願いいたします。

朝から実家に年始のあいさつに出向く。お節や餅を食って、そのあと近所の神社へ初詣でへ。

異常震域、という言葉を知る。本日午後二時過ぎの地震で見られたような震源付近では震度が大きくなく、距離の離れたところで強い揺れを記録する様な事を指すらしい。

二日

朝から透析当番。
体重増えすぎで来院する人数名。息苦しさまで出ている人もいて.....困ったものだと。

そのまま夜は当直へ。

三日

当直帯では胃腸炎が大はやり。時折インフルエンザが混じるようなそんな感じ。

四日

仕事始め。
透析受診予定の方が来院しないという事で、自宅をスタッフが訪問してみると鍵もかかっており。結局自宅で急死されていたとの事。状況から病死は間違いないと思われ、病院からほど近いところだったので出向いて検案を行った。
死後硬直だの直腸温だの調べて警察の方とやり取りして。貴重な経験ではあったけれどあんまりやりたくはないなぁ。

五日

昼飯を食いながら喋っていてふと思った事。
身近に指導医が配置され疑問は尋ねれば解決するし、調べれば答えが出る環境にい続けた研修医は、「わからない」環境に身を置く事が相当なストレスなのかもしれない。
植芝理一好きなわたしとしては「ワカラナイカラスキニナル」とか結構本気で思ってたりするのだけれど、わからないものを相手にする事(そして、それでも診療を継続する事)に慣れがなければ、それはとても心細いことなのかもしれない。
もっとも、もっと心細いのは患者さんで、そこにしっかり寄り添いながら道を見つけだしていくような作業が求められているのだと思うのだけれども。

六日

なんだかめちゃ忙しい日。朝から入院もあり、夜は当直。

救急外来研修として研修医がいたのだけれど.....捌きにまだまだ難が。あと、「こうしとけば無難」という定式の方が頭にあるようで、それを疑ったりアレンジしたりすることはまだあまりない様子。「VSイマジネーター」というのはまだ難しいのかな。

七日

当直明け。休みのはずなのだけれど診療情報提供書を書いたりして昼過ぎにようやく病院を出る。

八日

そろそろ自家用車がだいぶ古くなってきているので買い替え検討中。本日は近くのHONDA販売店へ出向く。お目当てはFREED。ハイブリッドの設定もあるしね。
ひとわたり説明を聞いて、実物を見て帰ってきた。

九日

朝から透析当番で出勤。
たったか回診して、一息つくと昼。なんだか体重増加多めの人が多かったような。

待機時間の間に「サクラダリセット6」を読む。さて、続きが楽しみ。

十日

「『秘密』の新刊出てましたよ〜 買って読んだら貸してね〜 」って医局事務の人に言われた。……俺って体のいい貸本屋?(滅)
まあ、そう言われて買ってきちゃうあたりがダメなんだろうけど。「秘密」の他には「COPPELION」(井上智徳)を。

十一日

買ってきて早速「秘密」10巻を読了。まだこのエピソード自体は終わってないけど。

十二日

午後外来がちょっと多め。ネフローゼの高齢男性例がちょっと困り者で。
待つしかない、という状況はなかなか大変ですな....。

十三日

だんだん一日が早く過ぎていくような気がするのは何故なのだろうか。
ルーティンワークで昼を過ぎ、午後はカンファレンスで夕方になり。

十四日

出勤して日直やって。
当院現在絶賛空床なしで。病院経営上はベッド埋まってて収益がよろしいのだが、救急外来やる側にとっては入院適応な人々を入院させられないという問題があり。救急車は受け入れ可否の判断ができるのでまだ対応しやすいのだが、自力で来院した人については断るわけにはいかないので頭痛の種になる。

十五日

「日本の「軽」は不合理・廃止を」って記事を見て、ああアメリカの自動車メーカーの人々は日本の道を走った事がないのだろうと思った。田んぼのあぜ道をそのまま舗装したような狭い道があちこちにあるし、傾斜地にへばりつくように住んでいる人が沢山いる。駐車場代は高いし、大きな車を出し入れしやすいようにとなればさらに駐車場代が高くなる。小さくても燃費がよくてそれなりに人が乗れる車への需要がなくなるとはとても思えない。
自由競争が旗印のTPPだけれども、それならばいろいろな規格があっていいと思う。大きな車も小さな車もあって、自由に売れ行きを競えばいい。小さな車を規制するという方向は自由競争とは逆行するもので、TPPの正体見たりという思いがした。

十六日

絶賛空床なし状態で調子悪い患者を見る外来は結構ストレスフル。

「先生、『まどかマギカ』って知ってます?」とかって尋ねてくる後輩あり。機会があって通して観たらしい。
ひとしきりいいよね〜と盛り上がった。

十七日

午前透析外来に夕方の透析外来。処方続き..。

十八日

どんな患者に相対するのがストレスフルか。わたしが思うに、課題がはっきりしない患者さん。やるべき事さえはっきりしているならそれをいかに実行していくかに絞られる。実行すべき課題、到達すべき目標、それがはっきりしないと何をしていいのかわからない。
病棟で熱が続いている人がおり、どこに問題があるのかわからなかったのだけれど、CT撮ってみると膿瘍か?ということに。
診断つくと気が楽になったりする。

十九日

朝早く出ないといけないのでふだんぐずぐずする子供らを早起きさせて朝飯食わせて.....予定より早めに出発、保育園でもなんだかやけにいい子で時間が余るくらいになる。げに読みがたきは子どもの機嫌....。

早めに出て普段いかない診療所の手伝い。紙カルテの方が患者捌くには早いというのは実感で。
午前外来終わってから病院戻って腎生検やって午後の自分の外来やりながら緊急入院の患者を対応して夕方になる。昼食喰い損ねた。

お褒めにあずかり光栄です

二十日

透析当番業務の隙間で中心静脈カテーテル挿入を。研修医を指導しつつ。
わたしが研修医だった頃ってCVカテーテル挿入する選択は割と頻繁にされていて、半年も経つとそれなりに経験数を稼いでいたのだけれど、今はだいぶ少なくなっている。リスクを考えればもちろん不要な処置を行わない事は大事なのだけれど、必要ならば処置できるという自信がなければ本当に必要な時にためらってしまうという側面がある。一定の件数を確保することは必要だと思う。
4-5年目の内科医が「去年CVやったのは片手で数えられるくらい、ひとりで大丈夫という自信がない」ってのはちょっとまずい気がするな。

夜は当直。絶賛ベッドなしと氷雨が降る天気という事で数人風邪が来た程度。

二十一日

起きて引き継ぎして自宅へ戻る。
本日は自動車見物でマツダのディーラーへ。Premacy乗ってみた感じは悪くない。さて、いま決めるか後で決めるか。

二十二日

自動車買い替えの続き。
自動車関連業界勤務の義弟と相談した結果ねらっている車があるのにあえて買うのを遅らせるメリットはないのではないかという話になり、やっぱりハイブリッドかな〜と思いながら再度Hondaへ。FREED Hybridを試乗し、子ども含めて五人乗ってもパワー不足は感じない事を確認して購入。
普段使いでは四人乗りで十分なのだけれど、今後子どもも大きくなるし親を載せたりなどの可能性も考えるとミニバンがいいかな、ということがひとつ。車体が小さめでそれでいて3列目のスペースに秀でるという事でFREED。Premacyはやや大きめなのだけれど実は横幅はミラーの端から端までで考えるとFREEDと同等。スライドドアもつき走行性能については評価が高い。エンジンも大きいので正直高速道を頻繁に走るならPremacyのほうがいいかも、と思った。
値段はHybridにするほうがかさむし、走る距離からして多分元を取るという発想からすれば純ガソリン車で十分だと思う。それでも、燃料消費の少ない車に乗りたくて最後はFREEDを選んだ。
ディーラーの対応としてはマツダ割とよかったと思う。試乗でも「好きなところ走っていただいていいです」だったし、質問へも的確に答えてくれた。

「少年少女飛行倶楽部」(加納朋子/文春文庫)読了。登場人物の名前にDQNネーム多発なのは伏線という事で。……たぶん、きっと。

二十三日

病棟でどうも調子の悪い人あり。
どこが原因か、決めきれないで難渋する。どーしよーかなー、と。

二十四日

夜は当直。相変わらず空床なしの夜で、救急車も少なめ。

二十五日

受け持ち患者がsinus arrestを多発する。時々ではあるけれど無視できない不整脈なのでどうしようかと悩みつつ。実はがんがかなり進行しているので、それに関わる症状であるならば積極的に治療するのもあまり効果がない可能性が高く、かといって匙を投げるわけにはいかない。
経皮ペーシングを使ってとりあえずしのぐ事にした。

二十六日

昨日体表ペーシングつけた患者さんが昨夜から不整脈が出なくなっている.....なんで?
主治医にもわからないのできっと誰にもわからない(滅) 医学の奥行きを感じるのはこんな時。

二十七日

最近仕事多いので昼飯もそこそこに全力全開な日中。その方が仕事は早く終わっている気はするけどね。

二十八日

透析当番やってそのまま当直へ。インフルエンザがそれなりにはやっているようでぼつぼつ来る。

二十九日

仕事終わったところで急いで帰る。相方も今日は用があり子どもたちが初のお留守番。帰ってみると「アンパンマンが終わっちゃった」とかいいながらテレビを見ていたのでちょっと安心。

昼過ぎお買い物へ行って、書店でユリイカ臨時増刊の魔法少女まどか☆マギカ特集を購入。

モーレツ宇宙海賊」本編はわりとしっかりした作りと思いながら観ているのだけれど、OPとEDだけ作品世界が違う感じでなんとかならなかったのかと。そう思っていたら、主題歌歌ってるももいろクローバーZはアイドルグループだという事を今日知った。
……ま、しゃあねえか。

三十日

外来やって午後に中心静脈カテーテル穿刺.浮腫みすぎで点滴できないのでやむなくってあたりがすでに雲行き怪しい.普通動脈の位置を触診で確認するのだけれどいくら触っても「もしかしてこれ?」くらいしかわからない.超音波で位置をおおまかに確認して、えいやと刺してみるとわりとあっさり成功.よかったけど、なんでうまくいったかなあ.

三十一日

午前透析診療所へ.帰ってくる途中で光岡自動車ヌエラ6-02と遭遇する。めずらしいもの見たなぁ。

息子達が「歌うキッチン」シリーズの動画を気に入ったらしい。ま、いいだろう。


Written by Genesis
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