僕には夢を見る能力というものが著しく欠けている、言葉を変えれば見た夢を覚えていることができないのだと思う。小さいころの記憶にあるのは特別に怖い夢だったり、夢か現実かが分明ではない、なかば白昼夢のようなものばかりだった。 長い鉤爪の老婆に執拗に追いかけられるというのがひとつのパターンで、熱にうなされたときなどはくりかえし何度も見たのだが、いつの間にか見なくなっていた。大人になってからは、どこかの商店街を上半身裸で歩いているのにふと気づいてあわてて洋品店でシャツを買うという夢を何度も見たのだが、何度も繰り返すうちに、あれは本当にあったことなのではないか、そのことを恥じるあまりに執拗に夢に出てくるのではないかと疑心暗鬼に囚われて、本人にも確証がもてなかったりして、つまりはそんな風に曖昧なものが僕の夢の正体だったりする。 いまはそういう怖い夢も執拗な夢もまるで見ない。いや、見ているのかも知れないのだが、それを確かめることが僕にはできない。 夢を見ないことを、恐れるような安堵するような・・・ 子供たちは今年高校を卒業です。麻美は看護系に何とか推薦で潜りこめたようだ。何しろセンター試験の一週間前が吹奏楽部の定期演奏会という無茶なスケジュールで、一般入試は最初から無理があって推薦しか選択肢がなかったのだが、本人は最後まで部活を優先したことには後悔はない様子で、彼女なりには満足しているらしい。 正美は・・・これはもう自由気まま。本人に勉強する意思があまりない上に、高校入学と同時にバンドに夢中で、卒業後はバンド活動に専念するために進学も就職もせず、バイトで2年ぐらいガンバルらしい。それで駄目なら服飾系の専門学校に行く、その時は学費もバイトで貯金しておくから大丈夫とか言っているようです。母親はかなり不満なようですが、僕自身は自分の過去を振り返ってあまり偉そうなことも言えず、本人がガンバルなら良いんじゃないのと、かなり無責任。 子供たちは少しずつ、親を必要としなくなってきているようです。 http://www.youtube.com/watch?v=jhM6Rt3P82g |
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