ナルシシズム関係で本日はネタ振り。 乖離性同一性人格障害。ふむふむ、ぜひ一度書いてみたいお言葉でした。いわゆる、多重人格者・ビリーミリガンといった方が分かりやすいのでしょうか?"アルジャーノンに花束を"ただひとつが代表作と思っていた、SF界のクリスタルキング=ダニエル・キイスの新ネタ(落語家じゃないって)と同じ多重人格テーマの地味なドラマが、先日までNHKで放送されてました。 主演は、言われてみれば彼女以外に考えられない大竹しのぶ。うますぎる演技、自在に流れる涙、あぁ、さんまちゃんに扱える女ではありません。野田何とかという演出家?に彼女の演技指導は無理でしょう。ワンカット・ほんの一瞬で愚鈍な女から奔放な女へ、ノーSFXで変身してしまう彼女を見てると、こんな女性とつき合ってるとノイローゼになってしまいそうと思った僕は、彼女が何種類の種違いの子供を作るのかに多少の興味があるだけです。 多重人格者は、はたして法によって裁けるか、が後半のテーマだったのですが、細川俊之が演じる彼女の主治医が、多重人格者のひとつのパーソナリティーに恋するくだりがあって、これが、脚本家ジェームス三木のドッペルゲンガーとして、やたら面白い。裁判のショックで人格の統合が起こり、彼の愛したちょっとコケティシュなパーソナリティーも消え失せてしまって、ショックのあまり幻の彼女と会話を交わすほどのご乱心。別居中の奥さんがやり手で恐い弁護士って云うのも、作家というものの、心の内が覗けておもしろい。物書きというものは、あらゆる機会を利用して、言い訳したり、復讐したりするものなのです。 最後に、ひとりさみしく酒におぼれる主治医の横顔に、ジェームス三木のさみしい私生活が投影されていました。若い女の子にみんな逃げられたんでしょうね。ざまーみろです。
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