合唱団たちばな

第7回 演奏会


1985年9月21日に行なった「第7回演奏会」のプログラムを紹介します。

ごあいさつ
 本日は、お忙しい中を、合唱団たちばなの演奏会においでいただき、ありがとうございます。今宵は、皆様に素敵な音楽の贈り物をいたしたいと思います。ぜひ、最後までお聞きくださいますようお願いいたします。


プログラム
混声合唱とピアノのための「木のうた」
作 詩
作 曲
指 揮
ピアノ
木島  始
林   光
岡本 俊久
米良 賀代
女声合唱組曲「雛の春秋」−賛助出演:コーロ・ソアーヴェ−
 T 雛の季節
 U 手毬
 V 秋の人形
作 詩
作 曲
指 揮
ピアノ
村上 博子
高田 三郎
岡本 俊久
朝倉伊佐子
混声合唱組曲「動物たちのコラール 第2集」
 T ほたるの祈り
 U かもめの祈り
 V 小さいろばの祈り
 W 天道虫の祈り
 X 羚羊の祈り
原 詩
訳 詩
作 曲
指 揮
C・B・デ・ガストルド
宮澤 邦子
萩原 英彦
岡本 俊久
金川明裕 in たちばな
 T ガッチャマン
 U キャンディ☆キャンディ
 V 秋 桜
 W 丸大ウィンナー
 X Yes! Coke Yes!
 Y It wouldn't have made any difference.
 Z 勝手にしやがれ
 [ 時のすぎゆくままに
 \ One (from A CHORUS LINE)
編 曲
指 揮

ピアノ
ドラムス
金川 明裕
秋吉  亮
岡本 俊久
米良 賀代
星  雅子



ステージ紹介
第1ステージ
 『木のうた』(1980)は、ハンガリー生まれ、ドイツ連邦共和国在住の画家ジョールジュ・レホツキーの絵、木島始の詩による絵本『木のうた』(佑学社刊)に触発されて作曲された林光の作品で、昭和55年度芸術祭ラジオ合唱部門優秀賞を受賞している。
 きこえるかしら、だれかが時をうごかしてるんだよ。その時の中で、めぐる季節ごとに姿を変えながらも、一つ所に立ち続ける木。それを見て人々は何を思う? 春、種芽吹き、木の芽は伸び、花々は咲きみだれる。風は光り、子馬はかけ出していく。夏が過ぎ秋が来ると、種々な果物が実る。果物のおいしさって、どこからくるのかしら? 地から出た実りは、また地にもどっていく。冬、雪がつもると木はだまりこくる。白一色の中、はだかの木は生きものたちの目じるし、木はだまって自然の厳しさを受けとめている。雪のきえるのを待ちながら……。きこえたかしら 目にははなしができるんだよ。
 時にうごかされてめぐり続ける自然のいとなみ、その中で生きていく人間の姿を描いたうた。あの林光の和音の響きとともに、幻想の世界へと誘います。卵のなかに 入りこんだ 夢をみたよ…。

第3ステージ
 原作者C.B.デ.ガストルド女史のユニークな詩(1,3曲:「箱舟からの祈り」より、2,4,5曲:「動物たちのコラール」より)−動物たちのことばを借りた比喩的な詩の内面を、見事な日本語に置きかえられた宮澤邦子女史の労作が、これらの作品誕生の原動力となっていることは云うまでもない。異質の言語体系のなかに共有される素朴な人間の心情を、これ程見事な日本語のうちに鼓動させた業績は、極めて高く評価されなければならない。
(作曲者まえがきより)


第4ステージ(金川明裕先生について)
 1976年、東京芸術大学卒業。声楽を高丈二、合唱を田中信昭・八尋和美の各氏に師事。卒業後、渡米。ロバート・ショウ、P・クリスチャンセン両氏に師事。(1985年)現在、都立大グリークラブ、津田塾大クール・プルニエ、日本長期信用銀行合唱団、本郷女声合唱団他常任指揮者。
 先生と「たちばな」の結びつきも初演以来、はやいもので7年目となりました。その間、先生に手によりお色直しされた曲も何十曲。その数々の曲やご自身の人柄にふれるたびごとに、先生の音楽性・センスに感じいる私達です。しかしながらその素晴らしいセンスを裏切ることたびたび。ステップをふむと岩のような動きをする男性陣、本番の舞台上でいきなり大爆発する女性陣、−もう少し、のれないのかなァ−との声がきこえてくるようです。でも何ぶんにも先生のセクシーさに近づくには、私達はまだまだ未熟、本日のステージにおいてもどれだけ先生の音楽性を表現できるか不安な限りですが、“金川明裕 in たちばな”と名うちました異常、その中よりいくらかでも皆様に伝われば幸いです。
 Give him your attention − he's the one! −の歌のごとく、先生は、私達の団に色彩を加える the one −素晴らしき人なのです。



合唱団たちばな
合唱団たちばなには、お父さんもお母さんもいます。社会人も学生もいます。恋に燃える女性も傷心の若者もいます。もちろんアツアツのカップルもいます。犬型人間も、猫型人間も、猫になりたい犬型人間もいます。果てはイグアナまで居ます。世話好きな人も、世話焼かせっぱなしの人もいます。都心に住んでいる人も、多摩から離れられない人も、また神戸に行っちゃった人もいます。練習に毎回来る人も、年に数回しか来られない人もいます。でも、みんな『合唱団たちばな』の仲間です。歌が好きで、仲間が好きな『合唱団たちばな』の団員です。


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