歳時記(diary):十一月の項

一日

引き続きスパリゾートハワイアンズ。前日から報道カメラが入っている旨の掲示はされていたのだけれど、あさイチがホテル内から生中継ということでこそっと眺めに行った。場をわきまえずに普通に子供らがしゃべるので早々に撤退したが....。なんだかえらく響く声を出すんだよなこいつら。

そして朝から泳ぐ泳ぐ。浮輪つけてだけど。盛大に水をはね上げるバタ足もだいぶサマになってきた。おかげで午後は部屋で爆睡。

夕方には世界一の露天風呂(らしい)「江戸情話 与市」へ。昼はそこのそば屋で食べたのだがこれもなかなか旨かった。江戸情緒を名乗るならばここはひとつ江戸の風俗を再現すべく混浴というのは(ry。

二日

水族館に行ってみようかとかいうプランもあったのだが、泳ぎたいという子供らの希望通りに午前中プール。結局ホテルから帰るまで一歩も出ず。
帰りのバスの時間を勘違いしていて、のんびり買い物していたら乗り遅れ。定期運行の高速バスで帰ることになった。

常磐炭鉱も「フラガール」の映画も知っていたけれど、自分でスパリゾートハワイアンズへ行こうとは全く思っていなかった。
行って、のんびりしながら考えた。何故、この地に東北のハワイが生まれたのか。直接的には炭鉱の縮小であったにしても、土地にあるものを使い、土地の人をどう動かすか、そこで道を外さなかったからこそ、ハワイアンズは根付いたのだと思う。
外から何かを取り入れるにしても、それはあくまで「取り入れる」のであって「借りてくる」ものであってはいけないのだろう。借りてきたものは返さなければならない。一方で土地に取り入れ、根付かせたものは、容易には他の土地には移っていかない。
まちおこしというのは、結局のところその町にある眠った宝石を掘り出して、分かりやすく光り輝かせることなのだろう。外から持ってきた宝石では、やがて他の場所に移ってしまうし、どこにでもある宝石にしかならない。原石を探す根気、磨く努力、そして輝きを保つ努力。そうして維持されていくものなのだろうと思う。

三日

文化の日は、映画「フラガール」観て、娘の七五三参り。おお、なんだか文化的(殴

映画になっているということで「アントキノイノチ」(さだまさし)再読。このエンディングはぜひ映画でも生かしてほしいなぁ。

四日

休暇明けで出勤。強く調子を崩している人はおらずほっと一息。
早帰りして子供らのお迎え。

五日

「神は細部に宿る」 ……のか?原文は多分これ

六日

相方が外出するということで子どもと一緒に家でのんびりする。
とりあえず「RDG5 学園の一番長い日」を片づけて、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」の録画を見ていく。
めんまかわいいよめんま。最後まで楽しみにみようっと。

七日

昨夜から当直で明け。
特に大きなイベントもなく。

八日

医療の安全などと言うが、老人医師の天下り施設は、無法地帯で、安全どころの話ではない。そんな場所こそ、アジアから優秀で若い医師を、比較的安い賃金で連れてきて、その浮いたお金を介護士の方々に還元しようとか思わないのだろうか。老人達も満州帰りや、フィリピン帰りが多いから外人になれているって、そりゃあ来てくれる分には止めないけど、ことばをどうするのかというのが最大の疑問。医師免許の問題は法改正するにしたって、英語しかしゃべれない医者を相手する患者の身になれって思いが。
それに、日本の老人施設で医者やるより母国で医者やるほうがもっとはるかに楽な仕事だと思うのだが.....あえて異国できつくて儲けも大きくない仕事をやるものだろうかと思ったりする。

九日

病棟患者が今少なめでちょっとのんびり。

十日

午後外来は結構混んでいて、なんだかんだとさばきにかかる。
終わったあとは子どものお迎えして、メシ喰わせて寝かせて。

十一日

夜は糖尿病と脂質管理のお勉強会。スタチンってあんまりうまく使えてない自覚がある薬で。もちょっと勉強せんとなぁ。

十二日

さて帰ろうかと思ったあたりでICUにショック状態の患者がいると相談。CHDFの準備をしたりなんだりで帰りが遅くなる。

十三日

お買い物出たくらいでのんびりと。最近お子様達の我が強くなってきていて、制御が結構大変。

腎臓学会誌に投稿する時用のbstファイルがないかと一度探したのだけれど、見当たらないので自分で作りだしてみる。bstファイルのカスタマイズを参考にしたのだが...うまく動かず。
Web上ではかなり情報が乏しくて。いったん抛擲。

十四日

午前外来には三人新患患者。問診とるだけで結構時間がかかる。
夜は透析当番で、かなりおそくまでいろいろ。

十五日

BibTeXのドキュメントなんぞ見つけてみる。腎臓学会誌と透析学会誌にむけてのbstファイルとかどこかに転がってないかとか。

十六日

夜は当直。
精神科領域の訴えの救急要請が複数回。病院来ると落ち着くから、という理由での救急車要請は、どうしたものかなと思ったり。

十七日

本日の腎生検はなかなかやりにくい感じの困難症例。気合いいれてやりましたさ。

海外の若者の間で危険なアルコール摂取が流行だそうだが....粘膜からの吸収は確かに早いと思いますが、それって急性アルコール中毒まっしぐらってことで。やめてほしいなぁ。

十八日

夜はCPC。それが終わってから若手Drの発表予演会。重箱の隅までつつき廻していたら九時を回っていた。

十九日

ICUに婦人科手術後患者が重症呼吸不全を起こしている由。ふぅん、大変だねぇと思ってたら「治療として血液浄化を...」とか言われてしまってさあ大変。

夜は当直。
看取り方針で呼吸状態が落ちてきたって患者を入院手配中、酒飲んで往来で雨に濡れて寝ていたという男性の対応中にゼーハーしてる呼吸不全が歩いてきて、さらに胸痛で顔色悪い患者が歩いてくる。
救急外来に歩いてくる患者をWalk inというが、なかには「やっとの思いで歩いてきた」的な重症がいることがあって、そんなのが二人も重なると大事で。久しぶりに全力で仕事をしたなぁという感じで疲れた。

二十日

当直明けて、帰ってから出直して病院の式典。昔勤めていた人とかもかなり来ていたので旧交を暖めて。
CHDF廻しっぱなしだったのでそちらが気になって早めに帰ったけれども。

二十一日

午前外来やって、患者受け持ちしてカンファやって。まぁ普通にお仕事を。

二十二日

夜は腎生検カンファレンス開催&飲み会。まったり飲み食いしてきた。

二十三日

祝日透析当番。回診して入院患者を見て。そのまま当直へ。
こないだがだいぶ荒れたのでおびえていたのだけれどあまり荒れず。

二十四日

朝方割と患者が多く。外科の先生に相談することが多くて大変だった。
午後の外来にはここのところ経過を見ている微熱の人が。心因性発熱なんか疑っているのだが、他の病気の鑑別の仕方をどうしよう、と思ったりしている。

二十五日

午後のところで患者さんの家族に電話。簡単に現状報告と今後の予定をお伝えした。年配の奥さんはとても丁寧な方なのだけれど、「わざわざお疲れのところわたくしどものような下々にお電話いただきましてまことにありがとうございます」と来た。
えーと、わたし全然えらくなったつもりはないんですがとか心の中でつぶやきながら。皮肉でも嫌みでもなくこのようなことばをすらりと口に出せる人間になりたいと思ったりする。

夜は循環器科と腎臓科の医師で飲み会。普段あまりない取り合わせでそれでもわいわいと。

二十六日

子供らが通っている保育園でお祭りということでお出かけ。私立ということもあってかややショー的なイベントが多いのだが子どもが楽しんでいるならいいということにするしかなかろう。
昼飯喰いながら、ホールに張ってあった子どもの名前を見ていたのだが。平仮名で書いているのでそう思っただけかもしれないが、いわゆるキラキラネーム(DQNネームとも)が少ない気がした。地域性なのか、保育園ということで親の志向が表れているのか。
ふと人気の名前ベスト1000で子どもの名前を検索したら、長男は字はともかく読みでは300番台にランクイン、長女は女の子で見事に読みでも圏外....。

二十七日

予定のない日曜日ということで、午前中植木の刈り込み。外周分は終わった。

「No.6」手元にある分だけ読み終えて、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」を観終える。
最終三話をまとめて観たのだが.....なんか涙腺へ集中砲火って感じで素晴らしい。ストーリー中で龍勢を打ち上げているのだけれど、あれがなんだか精霊船のように思えてきたりして。良作ですなぁ。

二十八日

午前中外来。早めに受診している人が多くて待たせちゃならんとちょっと焦ったり。

二十九日

午前中診療所、午後も遅くなってから病院戻って患者さんの対応。

ピザは野菜?企業支配の学校給食のエントリを読んでいろいろ考える。日本で仮にこの議論が始められたとすれば、最終的には憲法25条との関係が問題になりそうだな、とか。「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」ので、栄養上の問題が大きい学校給食を放置していいのかという議論になりそう。
「退役軍人たちは学校給食の不健康さは、国家の安全問題だという。」というセンスの方が、それが優秀な兵士が必要という観点から出たものであるにしても、常識的で国の未来に役立つものであるような気がする。つうか、国の政策として不健康を推奨していいのかよと。
こんな国相手にTPPとかいって、学校給食でトマトケチャップを野菜と認めないのは非関税障壁だとか言われたらどうすればいいんだろうね。

三十日

月が変わるのだがなんだか多忙で。次々入院入ってくるし。


Written by Genesis
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