歳時記(diary):五月の項

一日

夜は会議があって透析当番があって当直がある。何とかそれぞれ無事にこなせてほっと一息。

二日

朝は結局ほとんど呼ばれずにラッキーという感じで。
GW前に落ち着かない患者さんがいるのは精神衛生上あまり良くないのだが。こればかりは自分では何ともできないし。

三日

朝から荷物を準備して妹夫婦らとキャンプに。
テント張って寝袋泊するのはとっても久しぶりなのだけれど、妹夫婦が慣れているのでそれなりに楽しく。星が樹木の隙間からしか見えなかったのはちょっと残念。

四日

朝から息子の調子が悪く。微熱に食事摂取不良と来たのでこりゃあ帰るしかないかなと諦めて。楽しみにしていたのでまぁぐずつくこと。しょーがない、またくるか。
夕方病院から電話かかってきて患者看取り。長くかかってた人だったので最期に家族に挨拶をして、帰りに会った同僚と飲みに出かけた。

五日

息子の熱がまだ続き。午前中に救急外来で小児科医にみてもらう。様子みましょうということにはなったのだけれど。

六日

透析当番で出勤。午前中ひたすらてんてこ舞いして何とか片付ける。 患者さんも休みなしだけどこっちも休みなしだよ....。

七日

透析診療所の待機時間に「黄昏の岸 暁の天」を読む。これもう10年経ってるじゃんとか驚く。早く新刊出てくれないかなぁ。

八日

息子の熱がまだ下がらず。仕事の方は落ち着いているのだが。

九日

結局本日は子どもの面倒見で仕事を休むことに。
それでも夜は当直しに行ったのだけれど....。

十日

回診で激論になったのは自動車運転を希望する患者さんへの対応について。てんかんでも統合失調症でもないが、治療薬が眠気をもたらす可能性があるため運転は控えさせた方がいい、しかし患者本人は同意しないというケース。勤務先や警察などに患者の頭越しに連絡を取るべきかどうかが議論になった。
ちらっと調べてみると、今のところ運転免許の欠格事由として法が規定しているのは病気そのもので運転が危険になりうる、統合失調症やてんかん、認知症や麻薬中毒などのようす。道路交通法第66条に「何人も、前条第1項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。」とあるので、薬を飲んで眠気が出る状態では運転をしてはならないと解することが出来るが、これを根拠に守秘義務の例外となるのかどうか。
医師の職業倫理規定(案)には、「医師が患者情報についての守秘義務を免れるのは、〜患者・家族の利益を守るよりもさらに高次の社会的・公共的な利益がある場合で、多くの場合その開示は法律上規定されている。」とある。法の規定も患者の同意もなく守秘義務の例外と判断して行動することには非常に慎重になるべき、というポリシーが窺える。
まぁ、患者さんの説得に全力を挙げることにしてその場は終わったのだけれど。

十一日

朝からお仕事。来週CPCなんだが一向に準備が進まない。

十二日

「雨の日のアイリス」(松山剛/電撃文庫)読了。こういうまっすぐな感じのSFは好き。
冒頭の方で主人公のロボットがエネルギー補給&老廃物除去を行っているシーンがあるんですが、左手から補給、右手から排泄を行っている。作中でも人工透析に喩えているけれど、ちょっと珍しいような気がした。各種ロボットものでメンテナンスハッチや接続部を手・腕においているものってほとんどない様な....。エヴァでも電源コードは背中だし、アトムはたしかおなかを開けていた気がする。

十三日

外来が激混み。二週続けて休みだったしなぁ。

十四日

いつも通りの業務。……全然記憶に残らない。

十五日

CPCの準備に時間を費やす。長いプレゼンテーションにするならいくらでも出来る例なので、短くまとめようとすると却って考えすぎないほうがいいのかなぁ。

十六日

腎生検やって午後外来。なんだかやけに混んでいた...。

十七日

調子悪い患者さんにあれこれやって、午後は回診で。
夜CPCは無難に終えられてほっと一息。打ち上げ飲み会までやって帰ってきた。

十八日

午前中に娘の予防注射。泣かずに終えられるほどに大きくなった。

夜は当直。めまいってふれこみで来院した消化管出血とか。

十九日

当直明けて家でだらだらする。結構本読めたので幸せ。

二十日

外来混んでいたわりには終わる時間はそれなりで。つぎつぎ捌いたせい、でいいのかなぁ。

二十一日

午前中診療所の透析当番。終わった後で法務局へ出向く。
住宅ローンをいくつか借りたのだけれど、ひとつが無事完済したということで、抵当権抹消の手続きに。事前にWebで書類の書き方をチェックして、ワープロで出力して持参。印紙を買って相談コーナーの前でしばし待ち、書類をチェックしてもらって提出。すいていたのもあって30分そこそこで終了。
このくらいなら自分でやってもいいかな、というのが感想。

二十二日

普段通りのお仕事をいろいろ。

二十三日

ちょっと風邪気味。それでも仕事はそれなりに恙なく。

二十四日

夕方ケースカンファレンス。無難に終わった後で打ち上げを。
本の話になった時に「RDG」の名前を出したら「どんなお話?」と聞かれて返事に困ったり。今考えたのは「姫と従者の話」かなぁ。

二十五日

子どもの運動会で朝から小学校へ。去年よりは集団行動に馴染んでいた気がして何より。ダンスのときどこにいるのか探していただけれど、挙動不審になったらわかるだろうと思いながら探しても見つからなかったし(ぉぃ)

杉本有美、急性腎盂腎炎の完治報告 ってニュースを読みながら、「重症だったら入院してるだろう常考」と突っ込んでみたり。本気で重症だとショックになって最悪死ぬから....。

二十六日

日中ずっと外にいたのに日焼け止めをまるでしていなかったら、両腕(特に手首)が一度熱傷....orz。ひどくはないけど不快。

二十七日

帰る前に電話したら夕食ないというので少しぜいたくなものを買って食べる..。

二十八日

入院患者が入らないと割と手が空きやすく。いいような悪いような。
夜は宴会。あまり呑まずに離脱してくる。

二十九日

透析当番まであり。拘束時間が長いのが問題だなぁ。

三十日

午後の外来にDr.G的難問患者来院。非定型的な訴えなのだけれども不定愁訴とも言えず。個人的にはこういうのを調べるの楽しいですが。

三十一日

日本の刑事司法は『中世』かを読む。国連委員会の報告書は これらしい。日本の官公署の人権意識って進んでいるところもあるかもしれないけど、遅れている部分の方が多いような気がする.....


Written by Genesis
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