歳時記(diary):四月の項

一日

新入職員で医局があふれ返る朝。
そして夜は当直。

二日

Mewが起動するようになりあとは微調整を。 初期設定ファイルを.emacsから.emacs/init.elに移動し、Emacsの設定 (フォント)を参照しながらフォントの設定を。初期設定でなんだか不思議なフォントだったのだけれど。bsfilterも動くようにして、パスの設定をいじったりしながらfetchmail〜procmailへと受け渡しが動くように。メールの取り込みまでできる事を確認した。

三日

午後の外来はなんだかえらく受診数が少なく。
雨のせいか、はたまた消費税増税前の駆け込み需要の反動か、と話していた。
なお、医療費には消費税がかからないので、保険診療の範囲においては消費税分の値上げは起こらず、値上げがあるとすれば診療報酬改定に伴うものの筈。しかし医療機関が仕入れる各種材料には消費税がかかってくるので、診療報酬がほとんどプラス改定されていない今年は、医療機関は消費税を転嫁できていない事になり、その分経営が苦しくなっている。意外と知られていないのではないかと思われる税金の話。

四日

長期透析の患者さんが体調不良で受診してくる。……検査してみてなんだこりゃ。原因が摑めない。
とりあえず入院させてやったほうがよさそうな対応を始めてみるものの、当たっている気がしない。自信はなくても全力でやるしかない、なぁ。

五日

遅くまであれこれと指示を書き、帰って寝たのが一時。状態がおかしいと電話がかかってきたのは三時。病院着いてみると心肺蘇生の真っ最中。結局反応不良で朝方死亡確認と相成ったのだが。
そのまま朝飯食べて必要最低限仕事して、子ども連れて東北新幹線へ。母方祖母の見舞いの旅。行きの車中で「珈琲店タレーランの事件簿3 心を乱すブレンドは」読了。

六日

朝は子どもの方が早起きだった。なにせ新幹線に乗れるってんでノリノリだからなぁ。
仙台から二戸へまわり、レンタカー借りて母方実家へ。そして入院中の祖母を見舞ってそのまま東京へ帰ってくる。走行中に雪が舞うってのは結構怖い状況だった。
帰りの電車は切符をしっかり確保していなかったのだが、早く帰れるはやぶさの切符を買おうとするとグランクラスしか空いてない罠。正確にいうと普通指定席もあったのだが子どもと並んで座れる席が取れなかった。次の列車だと一時間少々遅くなるということで、時間を金で買ってみる。飛行機ではエコノミーしか乗った事はないのだけれど、ファーストクラスとかこんな感じなのかなぁと思ったりするくらい。貧乏性なわたしはたぶんまた乗る事はないだろうけれど、誰かの奢りなら乗ってもいいかなと思ったり。

七日

仕事休みにして子どもの入学式。……初日にして忘れ物複数という。親の準備が悪いのだが。
夕食は親と一緒に、入学祝いをしていただく。

八日

一年生は元気に学校へ。保育園への送りがなくなった分少しゆっくりとした朝になる。
……しかし仕事はやっぱり遅くなる..。

九日

臨床病理検討会の担当が回ってくる。とりあえずカルテを揃える。それなりに分厚い奴を出してもらって。さて、良く読まないと...。

十日

ここのところ患者さんが落ち着いていて、少し腰を据えた仕事をしたいなぁと思うところで。

十一日

そろそろ帰ろうと思った夜に看取り対応発生。家族の到着を待って対応。最後に剖検を依頼して、了承をいただいて。
「役に立つのであれば」という言葉に、それだけの責任を実感してみる。

十二日

内科学会行く予定を変更して、朝から剖検に入る。
予想外の病変を発見して、お願いしてよかったと思ったり。

午後から内科学会へ参加。主には出席点をいただくのが目的だったりはするのだが。多少は講演を聴いて、書店の出店を歩いて。平積みしてあった本を見ていたら、「高橋メソッド」なる文字を見つける。何だろうと思ったら考案者は以前新井素子MLにいらした高橋さんではないですか。今度使ってみようかしら。

十三日

朝寝を決め込んで、その後で息子の矯正歯科。
終わった後は買い物出たりするくらいでのんびり。

十四日

夜は当直。ベッドがないとあんまり救急車も受けられない..。

十五日

明けで、そのまま夜の透析当番までお仕事。

十六日

外来透析当番。ちょっと調子の悪い人に出す薬を悩む。アレルギー歴ある薬のバリエーション薬にするか、内服している薬と飲み合わせがあまり良くない薬にするか。何もなしにするのはちょっと心配だし。究極の選択、というほどでもないが、どの薬でも少しの気がかりが残るという。

十七日

研修医のカルテに今ひとつ不満が残り、整理し直しを命じてみる。夜にチェックすると伝えてチェックにかかってみると、ぼろぼろ不足が出てきた上に課題とした分の半分もやっていないという。もうちょっとなんとかならないのかとぶつぶつ。

十八日

当直あってあまりCPCに参加できなかった..。

十九日

当直明け。少し病棟の患者みてから帰って寝る...。

二十日

日直。午後には看取り対応もあり。だいぶ高齢の方だったのだけれど、娘さんが直前に亡くなられていて葬儀を控えているとかなんとか。逆縁、なんて話より、一人じゃ淋しいと連れて行ったのかねなんてスタッフの中で話をしていた。

二十一日

外来はキャンセルも出て少し落ち着いた数に。
遅々として進まない書き物を進めていたりする。

二十二日

夜は透析室の歓迎会。看護師さんの方が帰り足が早く。最後は「技師ばっかりじゃないか」と愚痴が....。

二十三日

患者は少ないのだけれど、研修医が多い分目を配らなければいけないところも多く。

二十四日

家にみずほ銀行のチラシがあった。リバースモーゲージローンの勧誘だったのだが.....自宅を担保に入れて借金するし銀行が根抵当権を設定するので銀行の同意なしには不動産は処分できなくなるのだが、何だかその辺がぼやかした書き方のように感じられて。

二十五日

入院が続いてちょっとせわしい週末。

二十六日

土曜出勤。そのまま当直へ。日中は結構忙しかったのだけれど、夜になったら来院まばら。まぁ平和だと思うことに。
アレルギー持ちの人が以前アレルギーを起こしたことがある食品食べて蕁麻疹、って救急車にはちょっと脱力したが。

二十七日

当直明け。歯医者行って帰って、寝て起きて終了(ぉ

二十八日

外来が大量に。来週祝日だからなぁ。祝日がなければ病院勤務医の仕事はもう少し楽になるんじゃないかと思ったりする。
帰ってきて寝る準備が済んだ辺りで呼び出し。緊急透析対応...。

二十九日

祝日。相方が仕事に行くので、子供たちと過ごす。
公園へお出かけのリクエストにお答えして、少し車を走らせて公園で遊ばせる。遊び道具なくても時間が過ごせるように育てられたのはよかったのだろう、きっと。

三十日

夜は当直。ここんところ間隔が詰まっているのでちょっときついかな。


Written by Genesis
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