歳時記(diary):九月の項

一日

子どもたちは新学期。同僚が夏休みだったりする関係で、普段より仕事が多かったりはするが細かくは気にしない方向で。

夜の透析が終わって、さて帰ろうかというところで急患受診。透析患者のうっ血性心不全で、透析を深夜に始めることになる。

二日

遅寝早起きでちょっとへばりぎみ...。

三日

結構早く帰ったじゃんと思って八時回ってるってのは、社畜状態なのかねぇ。

四日

製薬会社の方が講演会という名の薬宣伝会で講師してくれないかと依頼に来られる。医者にタダ飯食わせるほど製薬会社ってのはボランタリー精神あふれているとは思えないものでね。わたし薬の宣伝しないですがいいですか?と思ってみたり。

五日

夜はケースカンファレンスの司会。研修医のプレゼンの突っ込みどころ満載ぶりをどう取り扱ったもんかと悩む一時間であった。

六日

土曜出勤して、そのまま当直。なんだかやけに受診が集中する時間があったのだけれど...何故だろう?

七日

当直明け。
帰ってまずは繁り放題の庭の草刈りを。刈った草からにおいが強く。フィトンチッドなんだろうなぁ。
昼食摂ってからお出かけ。一番の目的は「宇宙兄弟#0」奥田民生とさだまさしがチョイ役で出ているという事で、わが家向けのセレクトだったかなと。(ぉ

八日

外来に病棟とばたばた。
最近あまり退院が出ていなかったのだけれど、今週結構多いので書類書く量も多く。

九日

朝から透析診療所へ。
回診以外にすることがないので一通り終わった後は読書の時間。「騎士は恋情の血を流す」を読む。蔵書が増えてくると読み直す時間が取れないディレンマが。

フロイド可動フィギュアって何だよ....

十日

夜は当直。施設から重症の入院をとってみる。

十一日

当直明け。一人午前中お休みのなか、普段通りに業務が進行...けっこうばたばたで。

十二日

相方の帰りが遅い、ということで面談こなした後早めに帰る。
書類が書けていないので飯食った後に戻って書き物をしてきた。

十三日

休日。子どもにつきあって家でだらだらする。

十四日

朝方電話が鳴る。患者急変。なかなか説明に骨が折れる家族なのだけれど。
病院いって対応して、午前中とりあえず落ち着いたところでいったん家に帰る。お出かけの約束していたのでお出かけして、帰ってきたところで早寝しようとしたところでまた電話がかかってくる。なんか一日、この方にかかり切っていたような気がする。

十五日

朝寝を決め込んだ後で、のんびりおき出して昼食はやまもりカフェへ。納豆定食をおいしくいただく。

十六日

夜は当直。いつ呼ばれるかなと思うとあまり集中したい仕事が入れられない扱いにくい時間。

十七日

当直明け。
夕方だいぶ遅くなり、そろそろ帰ろうかと思いつつICU寄ってみると婦人科の先生がばたばたしている。ハイフローネーザルつけるとかやっていたので多少のお手伝いをして。

十八日

腎生検やって、夜は宴会。二次会までいって帰ってくる。

十九日

夜はCPC。診断はそれなりに興味深かったのだが.....生前の診療経過に難を感じる。がんの診断って、一番基本になるのは病理診断なのだけれどそこへの執着が甘い、というか。
生検材料をとることは患者さんにある程度の侵襲を与えることになる。あまりに可能性の低い診断の可能性をつぶすために生検を繰り返すことは無駄に高い侵襲を加えることになるし、一方で異常所見を持つ部分の生検をあまり根拠もなくためらうことは診断から遠ざかることになる。
今日自分の患者では一気に二カ所も生検を実施しただけに。

二十日

土曜出勤して、夜は当直。気候が落ち着いているせいかあまり呼ばれずに済み。
来週末の症例検討会に向けてレジメ作りを少し。あまり集中できなかったけれど。

二十一日

当直明け。帰ってまず子どもの歯医者に行ってくる。矯正が少しずつ進んできている感じで何より。

夜「聲の形」3巻まで読了。

二十二日

外来は少しだけ。透析でかなり多忙。
他院でがんに対し抗がん剤開始された方がいる。腎不全で透析管理中となると普通の患者さんのように抗がん剤が使えるとは限らず、薬によって調整しなければならないし、そもそも透析患者でどう使うべきでどのくらい効くかというデータがなかったりする。手探りのはずなのだが、あっさりといろいろ始めているので却って(こちらが)不安になったり。だいじょーぶかな?と。

二十三日

祝日出勤。土日も休んでないから、合計十一日間連続出勤(加えて当直三回)という。

二十四日

夜は当直。久しぶりに引きもきらない程度に受診があり。ここんところ落ち着いていたんだけどね。

二十五日

午後の外来がかなり数が多い上に入院指示も出して。ばたばた。

二十六日

夜のケースカンファレンスは結構お題が難しかったらしい...。

二十七日

のんびり起きて、子どもの授業参観。ほかの学年もみてみたけれど、授業崩壊状況にはなってないのは普通なのか善きことなのか。
午後はコミケット拡大集会。

二十八日

だらだらする日曜日。

二十九日

夜の透析当番まできっちりお仕事。

三十日

少しはやあがりして、相方と晩飯を喰いにいく。
待ち合わせの道中で「ゼロ年代SF傑作選」を読む。元長柾木「デイドリーム、鳥のように」が気に入った。
"機関"があり、それと闘う人々がいる。それはたとえば「ブギーポップ」における統和機構であったり、あるいは「常野物語」での常野の人々を狩る者のことであったりするのだろう。
異能をぶつけ合う闘い、というのは文字表現で読みたいものだと思う。常野物語の拝島親子の物語で繰り返される"裏返すか、裏返されるか"の闘いはアニメでも映画でもうまく表現できない気がする。


Written by Genesis
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