歳時記(diary):九月の項

一日

月半ばに臨床病理検討会やってくれと依頼される。‥‥ひと月ないじゃん。間に合わないですよ〜と言ったら病理の先生に「アンタなら前日でもいいでしょ。あ、でもゲストの放射線の先生にご迷惑か..」そーゆー取り扱いですかそうですか。

二日

日本精神神経学会が「相模原市の障害者支援施設における事件とその後の動向に対する見解」を出した。結構重要なポイントをいくつか指摘していると思う。「いかに歪んだ思想であっても、精神症状としての妄想でなく、思想であるならば、精神医学・医療の営みとしての治療の対象ではありえない」という一文はわが意を得たりと思った。
報道を読む限りでは容疑者は医学的には妄想や幻覚に支配された病的な状態というよりも、極端に偏った優生思想を掲げる人物であったように思える。となれば措置入院も抗精神病薬の投薬も有用とは言えないだろう。もっといえば、こういった思想への社会的批判がきちんとなされなければ、同様の犯罪が規模を拡大して繰り返される可能性も大きいと思う。

三日

夜は相方につれられてUnicornのコンサートへ。初めてだったんだけれど...Feel so moon聴けたからいいか。

四日

子どもの歯医者に付き添って、あとはだらだらした位。

五日

夜透析の来院患者。かなり下痢していて体重が落ちているくらい。相当な脱水とみて点滴したら少し落ち着いて。

六日

一人休みが出て多忙に拍車。大体一人で仕事はできるけれど、相談しないでやっていると独りよがりになりそうで心配になる。誰でもいいから適当に捕まえて喋っていたりするのだけれど。

七日

CPC準備が佳境を迎え。少しでもクオリティ上げたいんだけど果たせるかなぁ。

八日

明日のケースカンファは他人が作成した資料を使ってプレゼンする形。一通り準備しましたといわれて資料を受け取ってみたら、結構重要な穴がいくつか空いているのに気付いてみたり。事前にもう少し突っ込んでおくべきだったか。

九日

一人当番であれこれこなす。夜はケースカンファレンス担当まで一人で(炸裂)

十日

土曜出勤は大体そのまま当直で組んでいる。日曜日出勤があんまり好きではないせいだけれど。

十一日

当直明け。
帰ってきたらトランポランド行く予定が決定されており任意同行を求められる(違)
結構いい運動になるんだよなこれ。

MacBookのEl capitanでXQuartzが使えなくなっていることに気付いてインストールし直し。

十二日

体痛い。昨日のトランポリンのせいだろう。

週末入院して持ったのは白血球血小板低下患者。たぶんウイルスのせいなんだが、それを確定させるのが結構やりにくい。ウイルスって数が多過ぎて、同定するのに手間がかかり過ぎるんだよね。特定のウイルスの有無ならまだしも、非特異的な症状しかない場合はしらみつぶしにするしかないし。

十三日

CPC準備しなきゃってんで夜遅くまでPCに向かう。大体まとまってきたけど..。

十四日

外来少々やって、午後は病棟診て。
長期入院の人が少しずつ良くなってきている感じなのだけれど、どこまでをめどにするかがなかなか難しくなっていて。本人にあまり焦りはないのでまだこちらは最善を尽くすだけでよいのが救いか。

十五日

急に休みが出てばたつく一日。
外来やっているさなかに患者逝去も出て対応しきれなくなり。疲れた感じの一日だった。

十六日

午前中一人で仕事して、夜はCPCプレゼン担当。
夜のご苦労さん会まで。 

十七日

昨日はそこそこ遅かったけれど、普通に出勤して当直まで。

十八日

当直明け。帰ってみると今週もお子様方のリクエストでトランポランドということに相成る...。
帰りは寄り道して、花和楽の湯へ。温泉使って岩盤浴して食事して。空き時間には進撃の巨人を読んで(ぉぃ 休憩室にあったから...。

艦これ、5-3をクリアしたのだけれど、最後のゲージ破壊はボス戦冒頭いきなり霧島が敵旗艦の補給艦へ連撃たたき込んでワンパン撃沈。輪形陣はかばいが発動しやすくて旗艦に当てにくいなんて言うんだけれど、こんなこともあるということで。

十九日

祝日出勤。透析対応で夜まで。空いた時間で学会発表スライド作ったり。

二十日

休んだ先生のフォローで外来入ったけれど...何でこのあとしばらく休みになってるのに未来の予約をとろうとするかなぁ。復帰のめどもないのに..。

二十一日

水曜日は少し余裕もって患者対応できているのだけれど、それでも十分一日かかっている今日この頃。

二十二日

秋分の日。この日付なのはやや珍しい気が。
お買い物で子供たちと書店へ。買いたい本があったら持ってくるように申し渡したら、「名探偵コナン」「かいけつゾロリ」と持ってきた娘はまぁ普通かと思うのだけれど、「君の名は」つばさ文庫版とか持ってきた息子ってばいったい。

二十三日

医局カンファレンスはできるだけ出て勉強したいのだけれど、最近なかなか出られていない。忙しいとは心を亡くすと書くのだそうだけれど。

二十四日

アナウンサーの長谷川豊氏のブログ記事があまりにひどくて炎上している件。それそのものは、一文ずつ根拠の乏しさを指摘し続けてもいいくらい質の低い感情的な記事なので、一言「それでも、日本国民である以上健康で文化的な最低限度の生活を送る権利を有するのだ」と返しておくのみにするが。
いろんなところでこの記事への反応が出ているのだけれど、個人的に面白かったのは長谷川豊さんの人工透析自己責任論がコピペすぎるの記事。Webの記事で引用要件を満たさず引用ってそれだけでアウトだと思うのだけれど。元のWeb記事に妙な誤字が散見されるのってもしかして意図的?とか思ってしまった。
引用はいいと思うんですよ。引用するならきちんともとの文章を読んで、誤っているところは直して、引用元を書く、当たり前のお作法をきちんと守りましょうってことで。それすらできていなくて自分の言説を受け入れてくれってのはムリがあるんじゃないかなと。

二十五日

録画しておいた「タイムトラベル少女〜マリ・ワカと8人の科学者たち〜」をみる。こういう学習漫画チックなお話は割と好きだったり。

二十六日

透析に外来に病棟って走り回って一日終了。最近夜透析の回診も「もう終わりですね〜」って回ったりしていて申し訳ないところで。

二十七日

午前外来透析・夜外来透析といつものコースをこなしていく。いい加減学会スライドを仕上げなきゃとそっちのタスクの重圧も重なる。

二十八日

夜は当直。
病院嫌いの高齢者が徐々に調子崩してきたってんで夜の救急外来に受診して、あぁこりゃあちこちデータの異常は出ているから入院精査にしようかなと思いつつCT撮ると、肺上葉に空洞ともなう浸潤影が....。結核疑いとして外来経過観察に。同居している家族には申し訳ないところなんだが、結核疑いとなるとヘタに入院させると他の患者にも影響が出たりするのでとりあえず入院というわけに行かない。診断さえ決まればいろいろ手の打ちようはある病気でもあるので。

二十九日

夜は経営方針やらなんやら、医療法人のエラい先生とぶっちゃけトークする会に。医療機関のかなりが赤字というのは診療報酬上の問題なのだけれど。それでも続けようとするからにはある程度の手練手管を弄するしかなく。あんまりこういうことに頭を使わずに済むような形がベストだと思うんだけどね。

三十日

日中は一人透析当番、入院も一人出して、午後はカンファと会議二本と入院一人。


Written by Genesis
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