歳時記(diary):五月の項

一日

修正で返って来ている論文の直しに手をつける。それほど大きくは直さなくていいと思うのだけれど、修正点をきちんと書き出さないといけない。Jeditで書いて後でdiffをとるか..。

二日

連休の谷間で患者がすくない。病気で連休楽しめない人が少ないのは良いことだが。

三日

一日のんびり。
子供たちに「宇宙よりも遠い場所」観せてみたら娘が相当気に入ったらしくて再度自分で通してみている。この子はどこまで行くのかね。

四日

母親に誘われて息子と一緒に大菩薩嶺へ。
甲斐大和駅で下車してバスに乗車、上日川峠から歩き出す。雷岩から大菩薩嶺へ至り、丸川峠を経由して裂石へ至るコース。
初めはそれほどきつくなかったけれど、途中からかなり急な登りに。だいぶ人も多かったので追い抜いたり抜かれたり。途中高齢者のパーティーを追い抜きがけに「お元気ですね」と声をかけたら「何言ってんの、もう八十五よ」なんて返事が返ってきてその返事にびっくり。その年でこの山登っているのか...。
丸川峠まではそれほどきつくないダラダラした坂だったけれど、そこからのくだりはかなりきつく、しかも長い。すっかり膝がくたびれてしまって、できるだけ半身で下っていく体たらくで。もうちょっと鍛えないとダメっぽい。
それでも予定よりは少し早くバス停までたどり着き、余裕を持って帰宅できた。

五日

昨日の余波で膝周りに筋肉痛著明。歩けないほどじゃないが階段(特に下り)が痛い。それでも仕事はせねばならないので出勤して透析当番。当直までしっかり仕事した。

六日

明け。
相方と待ち合わせて川崎へ。ラチッタデッラのはいさいFestaに。相方のお目当はコンサートということで、それが始まるまで露店で色々買い食いして。相方がコンサートに行った後は子どもたちと古書店に入り浸って、本買って帰ってきた。
「十二人の死にたい子どもたち」(冲方丁/文藝春秋)を読了。十二人の死にたい子どもたちが集まったら、そこにもう一人、物言わぬ体が横たわっていた..。そこから始まる討議のスリリングさ。最後に全員がたどり着く結論が面白い。

七日

なんとか仕事を早めに終わらせて子供の歯医者付き添いへ。おかげで割と早めに夕食。

八日

午前中糖尿病性腎症の若い人が入院。仕事忙しくて治療中断気味。仕事より通院と言える世の中じゃないのかもしれない。その後もう一人高血圧の若者の入院。職場とか労基とかの問題だろこれ....。

九日

一人病欠ってことでその分の仕事のフォローまであってばたばたの日。休んでも大丈夫な体制ってなかなか組んでないからねぇ....。

十日

外来の日。程よく話もしながら時間もしっかり使ってってのは難しい。

十一日

若手にケースカンファレンスの担当をしてもらって、打ち上げをしてくる。

十二日

仕事でかけて、その後透析室の歓送迎会。ゆっくり飲んで喋って。解散が少し早かったので、一人カラオケまでして帰ってきた。

十三日

親父の一周忌。実家近所の飲食店で法事後の食事会をしたのだけれど、どうも同級生の家だったらしい。声をかけられてびっくり。

十四日

朝行ってみたら転送適応患者が入院していたりして、転送先さがしでばたばた。

帰ってみたら子供が調子崩している。お腹痛いと言って寝ていたら急に嘔吐。胃腸炎かな...。

十五日

「暴力を振るって良い相手は悪魔共と異教徒共だけ」ってヘルシングで有名なセリフがあるけれど、そのポリシーで生活するとどうなるんだろうって考え始めた時、果たして自分はどのような教義に殉じて生きているのかと考えてしまう。あんまり殉じるほどのしっかりしたポリシーないなぁ。その都度適切に判断している、と言いたいけれど。

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十六日

娘の熱がなかなか下がらず。まあカゼだろうとは思うのだけれど。ちょっとしつこいなぁと嘆息。

十七日

外来の日。全体にばたばたする。

帰ってきて少し時間が空いたところで「響け!ユーフォニアム」第12話を見る。「上手くなりたい」と叫ぶ久美子の思いが鋭い。
向上心、というにはもうちょっと切迫した思い。「特別になりたい」そういう自己確認への心の動きなのかも知れないと書いて、でもそれって「君はよく頑張っているよ」という褒め言葉とは反対に向かう思考だなと思う。ほどほどに住み良い今の場所からあえて荒野を目指す少年の供が、自己向上心であるのかも知れないと思った。

十八日

ついったで拡散希望な人探し投稿を見かける。探されているのは安珍さん、僧侶で、探している人は清姫.....?それってこのあと待ってるのは鐘の中で僧侶が焼き殺される展開では...。とりあえず拡散しないでおいた。

十九日

当直明けだしなぁ、早く帰りたいなぁと思っていたら午後の透析が複数。中には救急でやってない結果返しやら紹介状書きやらまでまとめて送り込んでこられた例も。こういう時はあんまり優しくなれない。

二十日

けっこう疲れも溜まってるんでひたすら寝るぞーと決めて昨夜は寝てしまった。昼近くなって起きてみたら夜中に病院から電話が入っていたらしい。‥二度目の連絡なかったので気にしないことにする。

二十一日

昨日の電話は結局緊急透析のお願いであったらしい。

二十二日

夕方、思うところあってUTAU-Synthを少しいじる。楽譜をキーボードから入力するようにできるともっと使いやすいかな。文字キーと例えばSHIFTやOption, Controlキーと同時押しすることで音高と音符を選べる、とか。音高を入力した後続けて数字を打ち込むと音符を選べるとか、入力専用モードが充実すると長い曲が入れやすいと思う。

二十三日

夜少し遠出して勉強会に参加。後輩も誘えればよかったんだけどねぇ。

二十四日

外来の日。
終わった後で製薬会社主催の勉強会。薬の宣伝を聞くつもりはないのだけれど、比較的珍しい分野の総説が聞けそうだったので参加。内容にはそれなりに満足。

二十五日

朝一番で出かけてホルモン負荷試験。自分でやるのは割と好きなんだよね。
夜ケースカンファの司会をやって、そのまま在宅患者の電話受けを。

二十六日

電話を返しに仕事場に行った後で、PC抱えてミスタードーナッツへ。医局の机よりも作業には集中しやすい気がするのは何故なんだろうかと。学生時代からそうかもしれないけど。
昼までには家に帰る、ということにしていたのだけれど、入れ替わりみたいにして相方が出かけてしまったので、そのあとはだらだら。昼過ぎてからバイク用品屋に行って、いい加減防水が壊れてきたジャケットと靴を新調する。防水なしだと結構致命的になるので....。

遠出して「リズと青い鳥」を観てくる。「響け!ユーフォニアム」の後日譚というかスピンオフというか。オーボエの鎧塚みぞれとフルートで復帰した傘木希美の物語。個人的にはオーボエの一年生がなんとなくプチみぞれ的に感じられて、そこはかとないユニークさが感じられて好き。
「青い鳥を籠から出すことができるか」って葛藤が話の主題で、みぞれからは青い鳥イコール希美で、無二の憧れである希美を野に放つなんてありえない、そんな気持ちはわからない、という気持ち、一方で結構大雑把で若干自分勝手な希美はそんな思いに気がつかずにマイペース。すれ違っている思いは、コンクールの自由曲「リズと青い鳥」のフルート&オーボエのソロ部分の演奏に如実に表れていて。
テレビシリーズでは音楽を練り上げていく部分が話の中で結構大きな部分を占めていたけれど、昨年あげたレベルが学年が変われど落ちていないのか、合奏シーンがあんまり多くなくて人物描写が中心。京都アニメーションらしい細やかな描写が美しかった。
つまりはさだまさしの「Bye Bye Blue Bird」なんですよ(ぉぃ)

二十八日

夜はお泊り。気候が良いせいかあまり呼ばれず。

二十九日

泊まり明け、早めに仕事終わらせてスライド作りとか。

三十日

受け持ち患者が少なめなので、六月に目白押しな発表の準備を少しずつ。論文投稿の直しも来てたし。

三十一日

仕事の後で飲み会。
後輩医師が今ひとつ言葉選びのセンスがないというか言語感覚に鈍感というか。表面的な意味くらいしか理解していない感じでネガティブな印象の言い回しを時々何の気なしに使用する。飲んだ勢いも手伝ってお説教。でも言霊とか説明しても理解してもらえたかどうか...。


Written by Genesis
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