歳時記(diary):四月の項

一日

新年度。例年通り新人さんたちが多い日で。
気候が良いせいか入院もあまり多くなく。

二日

内科入院で、と振られてきた患者がどう見ても外科適応、という。慌てて外科の先生に話を持っていって対応してもらう。

三日

病棟は季節が良くて受け持ち少なく。世の中がこのまま平和でありますように。

四日

退院調整に行き詰まっていた方がようやく調整ついて本日退院。認知症二人の夫婦に正しい判断をしてもらう、なんてことを要求するしかないってのは難しい課題だねぇ。正しく意思決定を代行する、ことの難しさを思う。

五日

娘のお腹が今ひとつ調子悪いので受診させる。それほどでもないのかな....ということでとりあえず終了。
夜は相方の妹夫婦が上京されていたので夕食会。

六日

休日。昼過ぎ出かけてPocket WIFIを契約してくる。ZTE 601ZTを。お店ではスマートフォンのテザリングでもいいのでは、と言われたのだけれど、機能を絞りたかったので悩んだ末にこの選択で。しっかし、何を買うんでも「〇〇をおつけできますがいかがですか?」がやかましい今日この頃。

七日

八日

娘息子共々学校開始。社会人にはあまり関係のない感慨なのだけれど。 夜初期研修の打ち合わせしながら、「ニーズに対応しながら教育してきた」みたいな発言にちょっと脱力。「君にこれが絶対必要だ」みたいな思いはないのかと。

九日

気がつくと受持に腎疾患患者がいなくなっている罠。呼吸器疾患が多い。

十日

朝から透析診療所の回診。今週から夜透析まで。 昼の透析終わった後夜透析開始までのインターバルもあるので、「天冥の標 宿怨」を持ち込んで読みふける。これで中盤まで終了、か。 太陽系の沈黙まで描くスケールはさすがとか。しっかし、やっぱり一回読んだだけだと覚えてないな。

十一日

外来日。今月なんか予約が詰まってるな...

十二日

午後から急に尿が出なくなった患者の相談が舞い込んでくる。話聞く限り血圧低下からの腎血流低下が本体っぽい。それを根本的に治療するなら循環器に相談じゃないか、と思うわけなんだが「透析必要なら腎臓の先生に..」って。対症療法で尿は出出したので少し安心。
夜ケースカンファレンスの司会。って、症例提示の資料作成完了が発表数分前って遅すぎだろ。

十三日

出勤。少し余裕のあるところでmac bookの面倒を見る。MacPortsのupgrade outdatedがこけるので、一旦再インストールを実施。事前にport requested > requested.txt で明示してインストールしたportのリストを作っておき、sudo port -f uninstall installed して、sudo port clean allで関連ファイル全削除。そのあとで必要なportだけ一つずつインストール。ffmpegがGPL関連ファイルを使うとか使わないとかでエラーを出すので+nonfree +darwinsslオプションつけてインストールしてからgimp-appを入れる。

十四日

学校父母会のバーベキュー企画に息子と出向く。わざわざ企画するだけあって趣味的なメニュー提供もあり。手作りケーキとか出てくるのは楽しいねぇ。

十五日

夜は在宅の電話受け。

十六日

受け持ち少なめなので一通り仕事終わらせた後資料とにらめっこしながら今後の計画を練る。医師研修関係だが現状自分の立ち位置が不明。責任者からまるなげならまだよくて、どこまで投げられているのかわからないというつまりは放置プレイ中。どうすんのかなと思いつつ無駄になってもいい程度に考え事を進めておく。

十七日

朝から診療所の透析回診。処方とデータチェックを詰めつめでやっているだけでどんどん時間がなくなる。午前ラウンドが終了すると次は午後ラウンド。久しぶりに集中力を使い切った感じの仕事。

十八日

必死で外来終わらせて新宿へ。小川一水さんトークイベントへ。 堺三保さん、池澤春菜さんの進行で楽しく過ごした。「細けぇこたぁいいんだよ!」ノリと逆の細かく考えるタイプは詰まると大変なようで。幸せになる話が書きたいというスタンスは、安心して今後も読めると思う。

十九日

臨床病理検討会。専門外ではあるのだがFTD-MND症例についての検討。途中で診断が変わった経過だったのでその根拠など、どっちかというと教えてもらうCPCを。終了後は飲み会で打ち上げ。

二十日

娘の学校公開に。図工の授業見に行きたかったんだが嫌がられたので国語の授業とか。災害時対応の引き取り訓練もあったのだけれど、待機中の保護者の私語が廊下でうるさい。まあ最近大きな災害この辺では起きてないしね。切迫感がないんだろうなと思ったり。

二十一日

相方の職場の方と私の同僚とお招きして昼食会。昼からビール飲みつつ雑談に花を咲かせる。

二十二日

カンファレンスの検討対象が職場の先輩の親族。緊張した....。

二十三日

夕方研修指導の打ち合わせ。飲み会企画もあったのだけれどだいぶ遅れて参加。

二十四日

診療所の透析回診へ。少し余裕があったので行き帰りで「天冥の標」を読む。ジャイアント・アークまでたどり着く。一回読んでたのかなと思うほどにあまり頭に入っていなくて、ああ読み直してよかったなあと。

二十五日

外来日。‥‥なんだか出足が遅くて待ちが発生する...。

二十六日

仕事終わったら急いで帰る時間で。慌てて帰って娘の歯医者の付き添い。だいぶ先が見えてきたところではあるのだが。

二十七日

世の中は10連休だとかって騒いでいるけど一日だって休みにならない職場が大量にあることはこの際忘れてようってのはちょいと腹立たしく。
病棟で常に何事か話し続けている人というのは時々いるのだけれど、誰彼構わず「ねえ」と話しかける患者さんのろれつが不良なので「メェ、メェ」に聞こえる、って話を聞いて、一日「私は羊」が脳内ローテーションされていたり。

二十八日

午後子供を歯医者に連れて行く。他院受診指示するのに情報提供書書かないのはあんまり態度が良くないよなぁ...。

夜は「響け!ユーフォニアム 誓いのフィナーレ」小説版と比較して、例えば小日向夢のエピソードがざっくり抜けているとか鈴木美玲が感情を爆発させるのがサンフェスの当日に変更されているとかあるけれど、全体として原作の雰囲気をしっかり維持して「北宇治ワールド」の雰囲気を壊さずに新たなエピソードを描いたな、と思った。
定時で帰る人、残って練習する人。人は一緒にいる時間が長いほうが親密になるものだと思うけれど、だからと言って同じ時間を過ごす時間が短い人を排除しにかかるわけじゃない。他人の実力を実力通りに認めることは時に自分は十分な実力を持たないことを直視することになるけれど、それができる人、それができる集団というのは確かにある。そんなことを思った。

二十九日

去年に引き続いて大菩薩嶺登山。去年よりは軽いコース、ということで小屋平から石丸峠を経て雷岩、唐松尾根をおりて上日川峠、というコース設定。
いや、寒かった。前日あたり少し雪がぱらついたようで、うっすら積もっているところがあり。頂上でうどんを食べる計画を変更して下山してから料理にかかった。それでも美味しく食べられたのでまあいいか。

三十日

透析当番で出勤。自分の持ち患者の対応なんかもしながら。


Written by Genesis
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