デカパッド
ソフトの内容のおはなしではないのですが....
「テクノモーターはサターンのコントロールパッドを楽器にしてしまう!」といっても、セガ純正コントロールパッドを持って見せるだけでは「ナルホド、オカリナみたいなモノね」と、変に納得されてしまったりします(弾いてる本人はギタリストになった気分で気持ちよくチョーキングしているのに...)。で、「ちょっとやっちゃおうか?」ということでプロモーション用に通称“デカパッド”を作ってしまいました。
見ためは、色といいカタチといいサターンのパッドそのものなんですが、問題のサイズは..というと、ちょうどエレキギターの本体部分くらいの大きさで、パッドの両端からストラップを付けて、ショルダーキーボードのように肩にしょって演奏できる、というジャンボギョウザのようなものです。
まるで「放射能を浴びて巨大化してしまった」ようなコントロールパッドも、はじめは試行錯誤からはじまりました。アイデアはすぐにでたのですが、実際に動作するものでないと意味がありません。そこでまずはどういう仕組で可動するデカパッドを組み立てるか?の実験をはじめました。まずはクールパッドを観察しました。これを見るところボタンと基盤は一体化しているらしいことを発見しました。「コレを大きくするのはムズカシイかもしれない...」とは思ったのですが、ものは試し、サードパーティ製の安売りパッドを分解→アキハバラのパーツ屋でボタンを購入→チップの埋っているプリント基盤の配線がむけているところに、とりあえずハンダ付けしてみました....と、何てこともなく動くじゃないですか?
で、ちょっと大きめのお弁当箱にボタンが付けられるように穴をあけて、プロトタイプのデカパッドを作ってみました。
問題は方向キーにあると思われました。方向キーは、配線的には他のボタンと同じ様なもので、上、下、右、左の4方向に配線がされていて、ナナメというのは実は2つの配線に同時に信号が行ったときにそうなるようになっているらしいにです。とりあえずなす術もなくこの4方向に相当する普通のボタンを取り付けておきました。で、実際にナナメらしい操作をするとちゃんと動くんですね〜。これで機能的にはデカパッドは作れると確信しました。
あとはこのプロトタイプの中味を入れられるパッド型の何かがあれば完成なんですが...。これが実は最も大変でした。結局はプロ(実は私の兄)に依頼することになったのですが、まず造形しやすい発砲素材で型をつくり→これを表面処理の後、型抜きしてメス型を作り→さらにこれを素にしてFRPで成形します。→ボタンを組み込むための穴を空け→別々に着彩したボタンと本体を組み立て→配線します。
しかしこの時に気を付けないと、AボタンがCボタンになっていたりするので、最終的には全ての配線の途中にジョイントを設けて、位置関係を自由に修正できるようにしました。
現在、可動デカパッドが2つ、未配線のモノが2つの計4つのデカパッドが完成しています。ちなみに総予算は...ちょっとアレなんですが、1コに付き数万円です。