デーテーペーな1日

6月26日(Wed)
例によってみょ〜な日記で申し訳ない。一部の方にだけ好評な"青春の愛と旅立ち日記"は昨日からの続きです。昨日の日記を読んでない方はこちらから読まないと、更に意味不明かも知れません。
 僕にとって耐え難い記憶に立ちいる恐れがあります。したがって、何らかのフィクションが入っている可能性が高いということを、あらかじめお知らせしておきます。



13才の秋、人を愛することの悔悟

 それから何度もKissした。

 お互いを求めることの不器用な口づけと抱擁だったが、今になって思い出せば、あまりにも純粋で幼い二人に、失ったモノの懐かしさと郷愁におもわず胸をうたれたりする。
 その時僕は、彼女との思い出を大切にしなければ、と思い続けていた。映画館にも行った。真っ暗な通路を出口に向かい、たったいま見た映画のワンシーンを思い出しながら、柱の陰でそっと抱きしめる。干し草のような匂いがした。
 秋なのに、汗ばんだ掌を彼女に気づかれるのを恐れてつないだ手を離すと、少しおどけて歩道橋を駆け上がる。そのまま、少し離れて彼女と河原を歩く。寄り添って川面を見つめるカップルがほぼ同じような距離で並んで座っていることが、何だかとてもおかしいと彼女が笑った。
 秋の夜・・・校庭で燃え上がるキャンプファイアーの炎を、屋上で二人して見ていた。
 彼女を大切に思う気持ち。そして、それとはまるで裏腹に、あの夜かすかに触れた彼女の素肌の感触と激しい口づけの記憶に、毎晩オナニーをくり返す僕。
 彼女を求めながら、決定的な関係に陥ることを避けつづけていたのは、しかし僕のほうだった。僕の求めることに、決して「イヤ」と言う事はなかった。彼女を汚すことを恐れながら、そうせずにはいられない己の愚かしさに戸惑い、幼い口づけをくり返す。
 ブラウスのボタンを外す。指先が震えていることを意識する。肩口に回した彼女の両手に力がこもる。強く抱きしめた僕の掌に、彼女の胸の膨らみが直に触れ、喘ぎとも溜息ともつかぬ彼女の声に、僕の理性は溶けはじめていた。
 フェンスがなく、1mばかりの幅で周囲にそってコンクリートが立ち上がるだけの屋上にそっと彼女を横たえるが、それ以上の勇気が僕にはなかった。
 冷たい床の上で、壊れた人形のように不自然に体をよじったまま、彼女は固く目を閉じていた。とても理不尽なことを彼女に強いている気がした。
 彼女を抱き上げると、乱れたブラウスのボタンを元に戻す。抱きしめる。彼女が小さく震えていることにはじめて気がついた。いとおしさと後悔に焦がされながら、彼女を抱いた僕の体が固く勃起していることに、僕自身が深く傷ついていた。

 この日記を書くのは、とてつもなく時間がかかります。過去の記憶・・・意識して忘れていたはずのそれが、細部にわたって蘇ってきたりします。フィクションとして脚色しなければ、とても続けられそうもありません。そんなに苦痛ならいっそ止めてしまえばよいのでしょうが、中途半端なまま止めてしまうことも難しい。かといって、この文章に結論がないことは、書く前から自明のことでした。書きたくないのに、書かずにはいられない。愚かしい結論に導かれるためには、もう少しお付き合いいただく必要がありそうです。
 日記界は、また何やらきな臭い風が吹きはじめる予感が・・・しかし、意味不明な私の日記は明日も続くのでしょう。



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