デーテーペーな1日

日記猿人関係の発言はこちらで。
9月3日(Tue)
孤独な少女と孤独な記憶(2)
孤独な少女と孤独な記憶(1)

 彼女の読む本には、彼女自身の苛立ちと自虐が色濃く反映されていた。事実、その事が不必要な緊張を彼女に強いているようだった。
 絶望するにはいささか早すぎるような気がするのだが、人のことをあれこれ言えるほど、僕も自信を持って生きていたわけではなかった。なにやら、かたわな情熱にお互いが満たされていた。
 学校内ではまったく無関心な様子で誰とも打ち解ける事のない彼女は、午後、僕と秘かに待ち合わせた喫茶店では驚くほど雄弁だった。

「やっぱり、見る描くとのあいだには、見る書くほどの距離はないよね。」

 うん、確か先月号のユリイカにそんな一節があったよね。

「デュシャンとマッソン、どっちが好き?」

 シュルレアリスムは、難解なオナニーのための道具としてはちょっとパワー不足かもしれないよ。

 僕はほとんど会話することなく、黙って彼女のおしゃべりの聞き役に徹していた。実は、議論と言うモノに完全に倦んでいた。空回りする議論と空しい知識の応酬に明け暮れることにほとほと嫌気がさしていたのかもしれない。
 無意味な会話を求めていた。決してかみ合うことのない、何処までもすれ違う空虚な会話・・・お互いを通して自らを見るような、そんな不毛な会話を、秘かに楽しんでたりしていた。

 冬の夕暮れだったと思う。電車を乗り継いで出かけた映画館は、ほとんど観客の姿はなかった。貧しい椅子が並び、場末の空気が壁や天井の染みを通してにじみ出しているような小さなホールだった。若いカップルが連れだって見にくるたぐいの映画ではなかったが、彼女が強引に決めて僕を誘った。壊れたトイレの悪臭に青ざめながら戻ってきた彼女に、もう出ようか?と訊いたが、もちろん彼女がうなずくはずなかった。いわゆる「ピンク」と呼ばれる映画だった。

 もう少し続けないと、まるで意味不明なままですが、残念ながら締切時間が迫ってしまいました。本日はここまで・・・締め切りと言ったところで、自分ひとりで決めただけのことで特別な意味はありません。いつまでも書いてると厭きるので、いい加減なところで匙を投げているだけかもしれません。しかし、あまり面白くなりそうもない予感がありますが、せっかくはじめた連載日記なのでもう少しお付き合い下さい。エッチネタとしても不発のままでした。申し訳ない。


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