アトランタオリンピックが終わって数週間。書店にはさまざまな写真集が並び、肉体の祭典に付いてのオマージュを捧げている。しかし、もう一つのオリンピックについての写真集は、恐らく一度も出版されたことは無いのだろう。 そう、欠損した肉体が競う、パラリンピックについて少しばかり・・・ 現実の世界を強烈に「異化」するだけのチカラのある映像というモノはあまり多くはない。タイや南米で発行されるグロテスクな死体写真集やビデオ、あるいは、遺伝子の偶然が見せるさまざまな奇形児達のフォルマリン漬けのガラスケースの群・・・その夜、確かにテレビ画面からは非日常な気配が濃密に漂っていた。 テレビで生中継される事の決してない競技なのでしょう。オリンピックの直後に同じアトランタで開催されたパラリンピック競技の映像でした。特に両腕・両足欠損の選手による水泳競技に、日常を異化する事の意味があからさまに浮かび上がる。 映画「フリークス」にも出演していた、有名な胴体人間「プリンス・ランディアン」ほどではないにしても、大きく両腕・両足の欠損した選手達が水中を泳ぐ映像には、やはり強烈なインパクトがある。 ふやけた挨拶や曖昧な関係性の裡でぬくぬくと過ごす僕たちの日常が実は壊れやすい肉体の上になりたっている事を突きつけられ、なにかしら居心地が悪くなる。それは、死体やフリークスが日常の「禁忌」として隔離されず、剥き出しになる瞬間に、現代に生きる人間の漠然とした不安が横たわっているからなのか。 僅かなチカラで引き裂かれ、血と糞尿まみれの中身をまき散らして死んでいく自分自身の幻影を見て、おびえているのかもしれません。そんな妄想にエロチックな予感を抱くのは、やはり、いささか不穏な僕自身の性格に由来するものであることは、また確かなのでしょう。
昨日の日記はあなたからのメールを読む前に書いておりました。だから歯切れが悪いのは最初からですので、あまり気にしないように。どうもあなたは、露悪的でいて小心者という、文系にありがちな方のようです。自分の気配りにうんざりする「心優しき人」でもあるのかもしれません。もう一方の彼も同様か?あ、もう書くつもりはないと言いながら、つい書いてしまいました。申し訳ない。この件は終了。
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