思いがけず続いてしまった日記。連載日記???意味不明な方のためのバックナンバーはこちらです。 6/26 13才の秋、人を愛することの悔悟 6/27 14才の冬、人を愛することの絶望 実をいうと、僕は歯止めがきかなくなっていた。再び優等生の良い子に戻ったはずなのだが、毎日考えることは、猥褻でおぞましい妄想ばかり。その事しか考えられない。幼いSEXの形に抱いた疑問も、結局愚かな欲望に押し流され、際限もないくり返しにのめり込む。 隣の家の一人暮らしの女性の下着を盗む。その下着を使ってオナニーするため。年齢は40歳を過ぎていたかも知れない。小さい頃から面識があり、街で出会えば母親とそつなく会話を交わすその女性の部屋に、夜そっと忍び込む。布団の中で彼女と押し問答になる。あからさまな拒絶ではなかったが、 こんなおばあちゃん、あなたは絶対後悔するから。 そんな彼女の言葉はまるで僕の耳には届いていない。ただ無言で、がむしゃらに体をまさぐるだけの僕の腕を、意外なほどの強さでつかむ。年上の女の肉体はどこに触れても柔らかで、もみ合う内に乱れた寝間着の胸元からのぞく乳房に、僕はどうしようもなく興奮する。 乱暴に身体をまさぐる僕の腕をはねのけ、起きあがった彼女は小さく笑うと、そっと僕をくわえた。密やかな舌の動きと、なまめかしい彼女の口元に、僕はたちまち果ててしまう。彼女の口の中に。 学校の部室で、石灰にまみれながら、後輩を押し倒したこともあった。あからさまな媚びを売る彼女の誘いに、僕は何も恥じるところがない。埃っぽい鍵のない部屋で慌ただしく抱き合う。 後輩といいながら、彼女は僕以上に貪欲で容赦がなかった。放課後の人気のない廊下の片隅で、その日二度目のSEXをしたりする。 そんな僕を遠くからみているのが、彼女だった。悲しい目をして僕を見つめているのを強く意識しながら、なぜ優しい声をかけないのか・・・彼女の優しさに救われる僕は、同時に、その優しさに息がつまる。すべてを許し、すべてを与えようとする彼女。姑息な僕の魂が、彼女の与えようとするモノを負担に感じていた。あまりに純粋で透明な、ガラス細工のような危うさ。人を愛することの意味を教えてくれたのは彼女だが、同時に人を愛することの困難も、僕に突きつける。どうしてこんなに優しくなれるのか?決して求めることのない無私の行為に傷つくことはないのか?彼女の笑顔にかえって苛立ってしまう僕は、愚かで傲慢な人間だった。 むろん彼女ともSEXした。彼女に快感があったのか、なぜ僕とこんな関係を続けるのか、尋ねてみたかったが、そうするだけの誠意も勇気もその時の僕にはなかった。 あたり前の関係とあたり前の結末・・・彼女が妊娠した。避妊などいうモノを考えたこともなかった僕達の結論は当然すぎた。 いや、彼女が妊娠したということを、直接彼女自身から聞いたわけではなかった。告白も相談も、僕には何もなかった。 生みたいと言い張る彼女を、激怒した父親が遠くの町に引きずるように連れていって中絶手術を受けさせたと聞かされたのは、それから何年もたってから、風のウワサでだった。どうしてもあいての名前は告げなかったという。 二重の苦痛に彼女を追いやりながら、僕はなんら恥じることなく、愚かで自堕落な生活を続けていた。 実は、もう昨日の続きは書かないつもりでした。フィクションと言い張るのも辛い展開に自分自身が折り合いをつけることが出来ずに、往生しながら書くことにいささか疲れはじめていました。 往生といい、書き続けるのも辛いといいながら、続けてしまうところをみると、ものを書くことの魔力にとりつかれているのでしょう。人は一生に一遍だけ、小説を書き上げることが出来るそうです。自らを主人公にした小説。これが小説なのか三流雑誌のカラーページに紹介される愚かな告白なのか、まだ本人にも不明のままです。 あとがきのつもりで書いているこの文章なのですが、当初の公開時から2行ばかり削除しました。基本的に僕の日記は、誤字以外には訂正削除はしないつもりですが、自分だけがそうも言っていられない事情があって、そうしました。かえって誤解を招くような行為で申し訳ないのですが、ご理解頂ければと思っています。
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