孤独な少女と孤独な記憶(1) 孤独な少女と孤独な記憶(2) 孤独な少女と孤独な記憶(3) 孤独な少女と孤独な記憶(4) まるで、僕は彼女を相手にゲームをやっている気分だった・・・彼女の裡に作られたマゾヒスティックな願望の強さはほとんど万年雪のように厚く彼女の心を覆い、容易に解けることはなかった。僕は彼女をこれ以上肉体的にも精神的にも傷つけることを恐れていた。挑みかかるような彼女とのSEXは、僕もまた、彼女と同様に血を流すことを強要された。ほんの少し伸ばしただけの彼女の爪が僕の背中を何度も往復するたびに、赤く跡を残した。強く、跡が付くように噛むことを望む彼女の喘ぎに、僕の理性も愚かに吹き飛ぶ。獣の体臭に満ちた部屋には、いつも微かな血の臭いもしていた。 僕は、そんな彼女とのSEXに、彼女の孤独の深さと絶望の身近なことを感じ続けていた。しかし、何故そうなのか?彼女の性癖の裏側に見える"男"の存在について、決して尋ねることはなかった。孤独の裏に潜む残酷な予感を恐れていたのかもしれない。 「してる時って・・・とても苦しいのにさらに深く潜ろうとする酸素不足のダイバーみたいな気分なの。全身をつつむ海水中の酸素を必死に呼吸しようとして、ごぼごぼと肺に流れ込む海水に溺れている両生類の子孫てとこかも。」 君の比喩にはときどきひどく実感のこもるときがある。まるで、君の肉体自身があげる言葉のように思えるときに・・・ 僕が新聞部に出入りするのやめると同時のように、彼女が入部してきた。学校での彼女は、昂然と顎をあげて挑戦的に相手の目をみたままで話す、理性的で美しい存在だった。生徒集会でも積極的に発言を求め、参加者達の不明を激しく糾弾する。
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