突然の来客というのは始末に負えません。あぁ、あなたの事じゃありませんから、そんなに胸に手を当てなくても大丈夫ですってば。しかし、うちの奥さんがどう思ってるかは、あなたの心の平安の為にナイショにしておきます。がはははh。 沖縄からのお客さんなんですが、これがいつも突然で、その上とてもうるさい方なのです。物理的に声が大きくてうるさい上に、沖縄名産のソーキそば食べ過ぎたのか、肉体がとても暑苦しい。まぁ、要するに太ったおばさんなんですよね。それも、堅太りというのか・・・前後左右に厚みがあって、まるでスポンジ巻き付けたおじぞうさんみたいです。きゃー、こんなこと書いてるのがばれたら僕は殺されるかも。 ということで、あわててフォロー等を。そう、うちの奥さんの実家のある沖縄ではとてもお世話になったのです。かの地では遠くからの来客があったりすると、海辺にキャンパーコンロ持ち込んで家族総出でバーベキューというのが定番のようです。僕たちがはじめて沖縄を訪れたときも、やはりそうでした。 背の高いさとうきび畑を抜けると、まるで人気のない白い砂浜がつづき、対岸には巨大なコンビナートが熱気のなかで陽炎のようにゆらめいている、一種非現実なまでに閑散とした海辺でした。日中の熱気を避けるために夕方から始まった宴は、静かな日没と同時進行する、とても心なごむひとときでした。食事が終わると何故ということなく砂浜に女達は座り、水平線に沈む夕日をぼんやりと眺めている。そんな彼女たちの横顔は、まるであの「ニライカナイ」の伝説の中の太古の女達のように僕には思え、彼女たちの血の中に潜むモノの存在に、一瞬、焼けるような羨望と嫉妬に似たものを感じていた。赤く夕日に染まった海をその身体に満たした女達・・・穏やかで満ち足りた存在によって、都会の喧噪の中ですり切れていた僕自身が、まるで癒されているような気がしたのです。 突風のように慌ただしく訪れ、しかし時間の断絶を感じさせない、その人なつっこい笑顔がとても魅力的な人なのです。また近いうちにお会いしたいものです。大きくなった子供達つれて、ぜひあの海辺でもう一度穏やかな夕日に満たされた一時を過ごしてみたいものだと考えています。
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