デーテーペーな1日

日記関係の発言はこちらで。
11月8日(Fri)
 単館ロードショーとか、シネなんとかの「おしゃれ」な映画館で映画を観るのは苦手です。それが評判の作品で、入場を延々と待たされるなどと聞くと、その行列に並ぶ前に気持ちが萎えてしまいます。もともと、試写室みたいな小さな劇場で、かしこまって観る映画は面倒です。昔は、場末の三番館で、煙草吸いながら前の座席の背もたれに脚のっけて、見上げるようにして観るのが好きでした。浅草のロックでオールナイトのハシゴとか、よくやりました。最近はまったく映画館に足を運んだことはありません。レンタルビデオも、借りるのは良いけど返すのが面倒だったりします。だからWOWOWで放映する映画なんてのをよく観ます。
 で、昨夜観たのがヴィム・ベンダースの「パリ、テキサス」。

 基本的にロードムービーのお手軽なドラマ展開があまり好きじゃななかったことと、どうやら「親子モノ」らしいという前評判きいて、中身については全然信用していませんでした。と言うことで、彼の映画は初めて観ました。
 冒頭のエピソードにひどく惹かれて結局最後まで観るハメに。
 砂漠を歩いて、四年間の失踪から突然帰ってきた男は、まるで地球外の星から墜ちてきた異星人のようで、誰とも話さず、食べず、眠らずという状態で、迎えに来た弟にも不可解な言動をくり返す。そう・・・意識的に狂気を呼び寄せる方法のひとつに決して眠らないと言うモノがあります。何日も不眠の状態が続くと、やがて意識は幻覚と覚醒、夢と現実の境界線を見失い、朦朧とした半覚半睡の透明な幕につつまれたようになる。
 狂気に逃げ込むことでバランスを取ろうとした男の絶望のカタチは、やがて子供や妻との記憶によって徐々に露(あらわ)になる。
 う〜ん、後半の展開がやっぱり物足りないけど、カルトな人気を集めた訳は分かったような気がします。しかし、最後の妻とのマジックミラー越しの会話は、オヅとかマスムラなんて日本映画の匂いがして、はたしてアメリカ人にはどういう風に理解されたのかがちょっと気になりました。

 あんまり意味のない「おきらく映画時評」で、更に本日のネタにはどうやらオチが無さそうです。う〜ん、映画の感想にオチは必要ないとは思いつつ、どうしてもそれを求めてしまう僕は、やはり「オチ」つきのない人間なんでしょう。きゃー、こんな処で地口オチかよ!


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